第7回ゲスト:中野香織さん (前編)
「『今日の異端は明日の正統』というシマジさんの格言には私も賛成です」

島地 勝彦 プロフィール

中野 島地さんを見れば分かるように、今は70代でも皆さんお元気ですが、当時の70歳は状況が違います。今で言ったら80~85歳ぐらいのイメージじゃないですかね。それでもバッシングに耐えて、再び成功させる行動力、独創性は誰にも真似のできないものです。

島地 シャネルという女性を知ると、20世紀の歴史の裏側、もうひとつの顔が見えてきます。だから日野、お前も『シャネル、革命の秘密』を読んで勉強しておくように。

日野 わかりました。ところで、ダンディズム研究家の中野先生から見て、74歳にもなって「今が人生の真夏日だ!」と公言してはばからないシマジさんはどう映るのでしょうか?

中野 文句なしにダンディな方だと思います。だって、日本人の男性で、葉巻を吸う姿がこんなに様になっている人って、そうはいませんよ。

日野 んー、確かに。シングルモルトと葉巻に関しては、さすがという他ありませんが・・・。

島地 あたり前だ。いままで貯金もせずに、いったいどれだけの金をつぎ込んだと思ってるんだ! 講談社の原稿料はすべてシングルモルトと葉巻に消えるんだからな。

煙の重さを計った男、ウォルター・ローリー卿

中野 ウォルター・ローリー卿の煙草の煙の逸話はご存じですか?

島地 サー・ウォルター・ローリーは知ってるよな、日野。

日野 えーと、16世紀イギリスの探検家にして詩人で、たしかエリザベス1世の愛人だったとか・・・。

中野 基本情報としては合格です。じつは彼は女王付きの女官と結婚しているのですが、それを知らされていなかったエリザベス1世は激怒して、ローリー卿をロンドン塔に幽閉してしまいます。

島地 エリザベス1世は、なかなか気性の激しい女性だったようですね。

中野 ある日、女王はローリー卿に向かってこういいました。「煙の重さを計ることができたら、お前に褒美をとらせよう」。

日野 うーん、一休さんの「屏風の虎」のトンチ話を思い出しました。足利義満ばりの無茶振りですね。