[プロ野球]
中日・又吉克樹「9勝よりも1敗の悔しさを糧に」

アイランドリーグ出身選手たちは今 2015年Vol.1
スポーツコミュニケーションズ

状況を整理できず、サヨナラ負け

 だが、背番号16の胸の中には、9勝をあげたことより、1敗を喫した悔しさのほうが強く残っている。
 それは7月5日、東京ドームでの巨人戦だった。6-6のタイスコアで迎えた延長10回のマウンドを託されたものの、先頭の鈴木尚広をストレートの四球で歩かせてしまう。

「完全にボールが抜けていた。いつもと感覚が全然違ったんです」

 送りバントで二塁に進められ、続く長野久義にも3ボール。ストライクを取りにいったスライダーを左中間に弾き返された。あっけない幕切れのサヨナラ負けだった。

「調子が悪い時に何をすべきか。それを考えないままに投げ続けてチームに迷惑をかけてしまいました……」

 あの場面、一塁は空いていた。長野が積極的なバッターであることを考慮すれば無理に勝負する必要はなかった。次のバッターは阿部慎之助だったとはいえ、最悪の場合、もう1人歩かせて満塁策をとっても良かった。その間にピッチングの修正点を見つけ、局面を打開できたかもしれない。

「やることをやった上でのサヨナラ負けなら仕方ない。でも、なんで、あそこで勝負にこだわったのか。全く状況を整理して投げられていなかった。この試合は昨年、一番反省しています」