宮嶋茂樹 第4回
「南極があんなに辛いところだと知っていたら絶対に行かなかったです」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ いまはみんなデジタルだから、いくらでもコンピュータで補正できちゃうんでしょ?

立木 だから本当のプロが育たないし、プロなんていないとも言えるな。宮嶋は戦場なんかに行っていると、内面的な衝動に駆られて撮りたいものが出てくるだろう。そういう撮影にはモノクロがいいよね。雑誌はどこも買い取ってくれないとしても、思わず飾りたくなるような写真はさ。

宮嶋 ええ、それ用の写真はちゃんと撮り貯めています。

立木 キツい現場でもそういう撮影は続けたほうがいいよ。メシを喰うだけで大変なのにそんなことしていられるかという意見もあると思うけど、ちょっと時間があるときに撮れなくもないだろう。

宮嶋 はい、自分もそのつもりで現場に臨んでおります。

シマジ そこに写真集があるけど、セバスチャン・サルガドは凄いよね。

宮嶋 あれは凄い。魔術師ですね。

立木 あんなのサイテー。ぜんぜんつまんない。ただの演出でしょ。こころが動いた瞬間、というわけではないじゃない。サルガドは作り放題に作りすぎるのよ。宮嶋茂樹ならあんなものは越えられるって。

宮嶋 いやいや、立木さん、そんなこと言われてもなにも出ないですよ。

シマジ 戦場でサルガドと会ったことはあるんですか?

宮嶋 サルガドはないですけど、ジェームズ・ナクトウェイは何度かありますね。

そういえば、ナクトウェイとサルガドがアフリカのルワンダに行ったときに撮った写真があるんです。ダンプの荷台に死体が山積みになっている様子です。それを2人とも同じタイミングでそれぞれの写真集に使っているのでビックリしました。ナクトウェイが縦位置でサルガドが横位置です。多分隣同士で撮ったんでしょうね。

シマジ (宮嶋さんのスマホの自作写真集をみながら)これはまた凄い写真ですね。こんなのを俯瞰で撮るって難しいでしょう。

宮嶋 種明かしをしますと、それはヘリから撮ったんです。いまなら無線機で操れるドローンで簡単に撮れますけど、まだ一眼レフのカメラは積めないんです。でも2,3年もすればそれも出来るんじゃないでしょうか。