[バスケットボール]
杉浦大介「日本期待の星・渡邊雄太の現在、未来」

スポーツコミュニケーションズ

パワーアップが課題

 また、シーズンが進むにつれてマークが厳しくなるとともに、自信を持っていたはずのシューティングも不調に陥った。1月15日以降は14試合連続で1桁得点。「チーム最高のシューター」と同僚たちにも認められているにも関わらず、フィールドゴール成功率が30%台というのは不本意に違いない。

 この渡邊の停滞に足並みを合わせるように、ジョージ・ワシントン大も1月後半からスランプに陥った。最初の20戦で16勝4敗だったことを考えれば、“マーチ・マッドネス”に出られなかった今季は成功とは言い難い。主力に3、4年生が多いチームでは1年生の責任が問われることはなかったが、苦しい時期に同僚たちを助けられなかったのも事実である。

「自分の良い部分も悪い部分も見えました。(NCAAトーナメント出場は)すぐそこにあったけど、カンファレンスのゲームに入ってからはチームとしても個人としても成績が伸び悩んでしまった」

今後の課題はパワーアップ。オフは重要な季節になる。Photo By GW Athletics

 3月13日にロード・アイランド大に敗れ、日本人男子としては初のNCAAトーナメント出場が絶望的になった直後、渡邊は悔しさを隠さなかった。
 注目度が高まり、より警戒されるとともに、壁にぶつかった。良い経験だった一方で、今の自分に足りないものを痛切に感じた1年目でもあったはずだ。

「彼は素晴らしい選手になるとは思うが、まず20パウンドくらい体重を増やす必要がある。(今夏は)重要なオフシーズンになるだろうね。シュート力はあるし、センスも良い。欠けているのはパワーだ」
 NITトーナメント1回戦の解説を担当したダン・ダキチ氏のそんな言葉は、渡邊への現状を分かり易く表していると言える。

 課題はあっても、伸びしろの大きさは誰の目にも明らか。テレビ中継中に識者から名指しで長所、短所を指摘されること自体、渡邊の素質とポテンシャルが注目されている証明でもある。

 今季のチームの主体となった3年生が数多く残るジョージ・ワシントン大は、来季もNCAAトーナメント出場が狙えるチームであり続けるはず。そんな中で、マイク・ロネガンHCは2年目を迎える渡邊がチーム内でもトップクラスの選手に成長することを期待しているという。