「みなさまのNHK」が「オレさまのNHK」になった日 籾井会長は正月早々、公用車で私用ゴルフに出掛けていた

週刊現代 プロフィール

もう後がない

だが、組織のトップだけに会社に押し込めておくこともできない。わけてもこの時期、NHKは放送予算の国会承認を得る必要がある。言うまでもなく予算は国民から募った受信料であり、国会の承認は与野党を問わず、年度内の全会派一致が大原則だ。そのためNHKトップである会長が主立った野党を訪ねて説明に歩くのが慣例だが、籾井では心もとない。というより、先のバトルのように藪蛇になりかねない。

さらに、新たな失言問題も浮上している。今年1月に開かれたNHKの国際放送番組審議会において、籾井が河野談話について「日本の公式スタンスではなく、番組作りに影響を及ぼすことはない」という主旨の発言を行ったというのだ。いうまでもなく河野談話は閣議決定に基づいた公式な談話であり、それをNHKが否定することは外交問題になりかねない。

民主党の階代議士は、過去の政府寄りの発言について、こう手厳しい。

「野球の審判が『私は巨人ファンです』と公言して巨人阪神戦を審判したら、誰も納得しない。それがたとえ個人的な見解であろうと、政治的な中立を疑わせる発言をするようでは、公共放送の会長として資格がない。籾井氏は相手の話すことを理解しようとせず、持論をまくし立てるばかりで対話が成り立ちません」

階は公共放送のトップとして本人の資質に疑問を抱き、今の衆院予算委員会で、NHK経営委員会に会長の罷免要求まで突きつけている。この2月まで経営委員長代行を務めていた上村達男(早大教授)もこう指摘する。

「経営委員の中にも籾井氏が会長に就任した当時、罷免に持っていこうかという雰囲気はあった。就任会見の『政府が右……』発言など、政治的中立を定めた放送法に明らかに反しています。このほど1400人のNHK・OBが罷免要求を出したが、局の現場にもそんな空気はあるのではないか」

NHKの「会長、副会長および理事の服務に関する準則」には、〈公共放送を支える受信料の重みを深く認識し、職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用いなければならない〉とある。また、「自動車使用要領」としてこうも記している。

〈自動車の使用は、業務上必要な場合に限る。

自動車の使用にあたっては、乗車人員、機材など、使用目的に適した車両(本部車両等、タクシー、ハイヤー等)を選択し、効率的な使用に務める〉

十分、NHK会長の罷免の理由になるのでは。(敬称略)

「週刊現代」2015年3月28日号より


 ★ 読みやすい会員専用のレイアウト
 ★ 会員だけが読める特別記事やコンテンツ
 ★ セミナーやイベントへのご招待・優待サービス
 ★ アーカイブ記事が読み放題
 ★ 印刷してじっくりよめる最適なレイアウト・・・などさまざまな会員特典あり

▼お申込みはこちら
 http://gendai.ismedia.jp/list/premium