「みなさまのNHK」が「オレさまのNHK」になった日 籾井会長は正月早々、公用車で私用ゴルフに出掛けていた

週刊現代 プロフィール

そうNHKのグループ会社幹部(前出)が話す。

●さすがに官邸も呆れ

NHKと政府の蜜月については繰り返すまでもないが、籾井体制になってそれが顕著に表れている。さすがに会長就任当初のように、「また官房長官から電話がかかってきたよ」と周囲に自慢することはなくなったらしいが、事実上、籾井を会長に選任した官邸サイドにとっては、その動向が気になる。ことに語り種になった民主党とのバトルには頭を抱えたようだ。

2月18日に開かれたNHKの中期経営計画を説明する民主党の総務・内閣部門会議でのことだ。冒頭から、籾井が会長就任早々にNHKの理事全員から辞表を取り付けてコントロールしようとしたのではないか、という疑問について激論—。

「(国会で)『一般社会では、よくあること』とおっしゃいましたよね」

民主党の階猛代議士の追及に籾井会長が反論。

「あるものはあるんです。皆無ではありません」

再びNHKグループ会社幹部が打ち明ける。

「民主党としてはカッとしやすい籾井さんを怒らせ、失言を引き出そうとしたのでしょう。そのために総務部門会議にテレビまで呼んで、実況中継させた。そこにまんまと引っかかってあの体たらくでしたが、驚いたことに籾井さんは何も反省していない様子。それどころか『言ってやったよ』と意気揚々、局内に戻ってきたそうです」

下手をすれば、NHK会長の失言が政局に発展しかねない。最近になって、官邸サイドはそこを危惧し始めているという。

「この1年の籾井会長の姿を見て、菅(義偉)官房長官などは籾井さんと直接連絡をとると危ない、と判断しているみたい。だから、近頃は直のやり取りを避けていると聞きました」(前出の幹部)

別のNHK関係者が引き取って言う。

「それに代わって、官邸サイドとのパイプ役になっているのが、新任理事の井上(樹彦)さんや小池(英夫)政治部長。とくに政治部長経験者の井上さんは、菅さんとも親しい。籾井会長に決まる前には、別の政治部OBを菅さんに推薦し、近づいた。結果、自分自身も理事になれ、今は官邸サイドのパイプ役として奔走しているのです」

辞表騒動などもあり、会長就任以来、孤立気味の籾井にとって井上は数少ない味方だが、会長の目付け役でもある。

「民主党との一件でも、官邸と会長との板挟みになって弱っていた。官邸からは『なぜもっと会長を補佐して助けてやらないのか。それができないなら、表に出すな』と指示されていると聞きました」(前出のNHK関係者)