「みなさまのNHK」が「オレさまのNHK」になった日 籾井会長は正月早々、公用車で私用ゴルフに出掛けていた

週刊現代 プロフィール

「通報制度ではもう一つ、外部の弁護士事務所も告発窓口になっていますが、リスク管理室の事務局はNHK内部におかれ、会長がそこの最高責任者として不正を糾すことになっています」

皮肉にも、その告発対象がコンプライアンスの最高責任者という話なのである。ただしリスク管理室事務局としては、それを当人に知らせるわけにはいかない。そこで、告発はNHK経営委員会の中に置かれている監査委員会に報告され、調査が始まった。

NHKの経営委員会はANA総合研究所会長の浜田健一郎委員長以下、12人の経営委員で構成され、NHK会長の任命や罷免の権限を持っている。そこに首相シンパの委員が送り込まれ、現会長の籾井を選んだとされる。監査委員会は、その経営委員の中から3人が選ばれ、不正の調査をおこなう。現在のメンバーは、上田良一前三菱商事副社長、室伏きみ子お茶の水女子大学教授、森下俊三阪神高速道路会長だ。

後で払おうと思ったのに!

そうして内部調査が進められると、会長の籾井がゴルフに公用車を使用していたのは紛れもない事実だと判明する。当人もやむなくそれを認めた。

「プライベートなゴルフなので、あとでハイヤーの代金を支払うつもりだったんだ」

籾井はそう言い訳したという。だが、そんな子供じみた言い分が通用するだろうか。

1月2日の正月ゴルフにかかったハイヤー代金は、税込みで4万9585円也。NHKでは、公用車の費用など外部発注の支払いは翌月払いになっている。1月2日のゴルフだと2月払いだ。だが、籾井会長に関する内部告発があったときには、すでに会社が代金を払っている。つまり、いくら本人がポケットマネーで払うつもりだったと言い張っても、しょせんあと付けでしかないのである。

なにより、プライベートな遊びなら、個人的にハイヤーを頼んでその場で支払えばいいだけのことだ。いずれにせよ、告発がなければ、払っていなかったのではないか、という疑惑は晴れない。

「俺は秘書にも、あとでハイヤー代を払うからなと伝えていた……」

今になって籾井はそうも弁明しているという。本当に事前に秘書たちが本人の口からそれを聞いていたかどうか。当然、監査委員会の事務局のNHK職員が、そのあたりを含めて調査中だ。が、やはり心証は真っ黒だといわざるをえない。

NHKの会長には秘書が二人ついている。国会では興奮しやすい籾井の後ろに控え、用意した答えのペーパーを差し出す光景を何度も目にした。そうして答弁に立つ前に耳元でひそひそ囁き、宥めている。「まるで二人羽織を見ているようだ」とNHK職員から揶揄されているのを本人が気にしているのだろうか。最近は国会の場で後ろの秘書たちに言い返したり、宥める秘書の手を振りほどこうとしたりもする。

「秘書たちは官邸の意向を汲んで答弁を用意しているといいます。なるべく失言のないよう、政治部や担当理事から指示されているはずです」