書店業界の常識を覆してきた“15坪の小さな本屋”が「映画&劇団」分野で3月22日に新たな革命を起こす!

天狼院書店・店主インタビュー「小さな書店が映画と劇団を本気でやる理由」

これは経営者としての考え方だからあまり理解されないかもしれないけれど、たとえば劇団員の正社員化ができれば、自立に成り得ると思います。自分がアートを売るという感覚を持ってほしい。一人ひとりが、アーティスティックベンチャーになるような感覚です。

劇中に出てくるフレーズで、「200人客を集められない俳優は、俳優ではなく自称俳優である」というのがあるんですが、僕は本気でそう思っています。今はFacebookもある、Twitterもある。誰でも発信ができる時代です。自分でそういう発信力を持っていかないと、駄目だと思います。

今回の映画の主演である御伽ねこむさんは、Twitterのフォロワー数が60000人を超えるすごい発信力を持っている。だから自分の力で、いくらでも自分の魅力を発信できる。そんなチャンスをうまく利用できなければ、アートの自立は不可能です。

つまり、アートにおけるアントレプレナーシップを持って、独立できる仕組みづくりをしたい。今回の映画はその始まりになると思っています。

主演の御伽ねこむ。「日本一可愛いコスプレイヤー」として有名な御伽の大抜擢が、各所で大きな話題となった。

――この新しいタイプの映画・劇団をどのように楽しんでほしいと思いますか?

三浦: 今、苦慮しているのは、まるで僕が慣れていないジャンルなので、撮影場所の確保、芸能プロダクションとの付き合い方などです。関わる人が多すぎるうえに、経験が無いので、予測不可能なことが起きすぎている。雑誌を作ることなどは、もともと書店業界にいたから慣れていたのですが、映画を作るのははじめてなので、少し手こずっていますね。
(注:天狼院書店は、書店でありながら『READING LIFE』という雑誌を発行している)

ただ、天狼院書店のような小さな書店が作った映画と劇団が豊島公会堂で満席になったら、ある種の革命が起きるはずです。たとえば五年後、十年後にふりかえったとき、あの3月22日が革命だったよね、と言われるようになるかもしれない。そして現場にいる人は、革命が起きる瞬間を目の当たりにできる。世間一般に認知されるのはもっと先の話になるだろうけど。

これは僕の憶測にすぎませんが、シルク・ドゥ・ソレイユの人もきっと、革命の瞬間をわかっていたはずだと思います。でもお客さんには見せないとわからない。革命はどのようにして起こるのかというのは、僕の頭のなかでははっきりと明確に見えているのですが、お客さんには何よりもまず、802人を満席にしてスタンディングオベーションを体験してもらうのが、革命を実感できる一番近い方法だと思います。

香盤表(映画撮影における進行表)の作成や演出の打ち合わせなどの裏方仕事も、連日深夜に及ぶ。

すべての革命のはじまりが、きっと3月22日になる。

三浦: この映画・劇団の制作には莫大な資金がかかっていて、今天狼院の運営にも手が回っていない状況です。映画の機材、小道具、ロケ地の確保にもお金がかかります。正直言ってしまえば、今回の映画・劇団のチケットをすべて完売したとしても、収益としてプラスにはならない。完売してもプラスマイナスゼロです。天狼院書店が儲かるわけでもない。映画・劇団に手を出さない方がずっと楽に運営できていたと思います。

それでも僕は、この映画・劇団を今全力でやっている。やらなければならないと確信している。それは僕が、この革命が起こせるんだということを証明しなければならないからです。証明できれば、書店も、劇団も、映画も、衰退産業であるということを言い訳にして、ビジネス感覚を持っていないアーティストたちへのアンチテーゼになるからです。

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