書店業界の常識を覆してきた“15坪の小さな本屋”が「映画&劇団」分野で3月22日に新たな革命を起こす!

天狼院書店・店主インタビュー「小さな書店が映画と劇団を本気でやる理由」

――映画・劇団にもその方程式が当てはまるということでしょうか?

三浦: そうです。マーケティング3.0、あるいはもうマーケティング4.0と言われている時代に、未だにマーケティングのレベルが低すぎる業界が、書店と劇団なんです。もはやマーケティング1.5くらいのレベルです。高度経済成長期や1970年代のやり方を、まだそのまま引きずっている。今のビジネス感覚がまるでないんです。けれど発想の転換をすれば、21世紀型のマーケティングを投入しただけでうまくいくはずだ、とも考えられます。

はじめから儲からないものだと決めつけて、傷のなめ合いをやっている。小劇団にしても、仲間うちでノルマのチケットを買い合っているだけで、本気でビジネスとして成り立たせようという気合はない。経済がまるで回ってないんです。自分たちの劇団はアートであって、理解してくれない大衆の方が悪いのだと言い訳をしている。そんなことをやっていて、業界が伸びる訳がない。

書店業界にしてもそうで、業界全体の衰退を言い訳にして、自分のせいじゃないと、仕方ないことなんだと思い込んで、それまでのやり方に固執する。僕はそういう業界を全部、ひっくり返したいんです。

だから今回劇団天狼院で作っている演劇も、映画部で作っている映画も、小さな書店が作ったただの舞台や自主制作映画では終わらせられない。成功しなければだめなんです。僕たちがやっているのは、70年代マーケティング1.5への挑戦であり、問題提起なんです。

メインキャストの佐伯恵太と岩田ひかる。二人は、本作における「ホームズ&ワトソン役」として、殺人事件と事件の奥に隠された謎を追う。

「お金にできないアート」はアートではない

――芸術とビジネスをつなげようという発想はどのようにして浮かんだのですか?

三浦: 若い才能をのばしたいというのはもともと思っていました。さきほどもお話ししたように、天狼院書店も同じ延長線上で作りました。

僕自身、若い頃は小説家を目指していたんですが、応援してくれる大人が誰もおらず、とても心細かったです。そういう経験もあって、僕が若い才能を支えられる存在になりたいというのは、起業した頃から考えていました。

その流れにおいて、僕は今回の映画では当たり前のことをやっているつもりです。でも一般的に見れば、奇天烈なことをやっているので、今、僕が話していることは、多くの人にとってはうまく想像が出来ないだろうと思います。

厳しいことを言うようですが、僕は、ビジネスとして成り立っていなければアートとは呼べないと思うんです。

よく自分の芸術が売れないことの言い訳として、「芸術の世界では、死後に評価される人もいる。自分は今評価されていないだけだ」と言う人がいますが、それはごくごく稀です。ほとんどのアーティストは生前に評価されています。ミケランジェロ、ダ・ヴィンチもそう。ミケランジェロなんて23歳ですでに評価されているんですから。

これは極端かもしれませんが、お金に出来ないアートはアートじゃないと思った方がいいと僕は思います。

アートというのは、最初に削られる分野なんです。会社にお金が無くなったときに最初に削るのはアート。でも僕は本来、一番削っちゃ駄目な分野だと思うんです。だからこそ多くのアーティストたちにビジネス感覚を身につけてほしい。そういう若者を応援していきたい。

アートは本来パトロンに支えられていたけど、今回やろうとしているのは、アートの自立です。普段、アルバイトをしてなんとか生活費を稼いで、自分の劇団のノルマ消費のためにそのお金を使っているような劇団員のような人たちがたくさんいると思うけれど、アートだけに集中して食べて行けるようになれば、それはイコール、アートの自立です。スポンサーに頼らなくてもよくなる。

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