名物国際スカウトが特別寄稿 ホーナー、ペタジーニ
ヤクルトの助っ人に〝アタリ〟が多いのはなぜか

中島 国章

ヤクルト黄金時代を支えた「縁の下の力持ち」

とはいえ、家族を養うために大金を得て日本にやってきた以上、彼らが帰国することは簡単には許されません。未体験の異文化に耐えながらも、やがて生活と仕事に慣れて行くよりほかに選択肢はありません。そんな時、外国人選手たちの一番の理解者として精神的に支えなければいけないのが、通訳であり、渉外担当者なのです。

このあたりがしっかりしているチームはやはり強い。ヤクルトを3度の日本一に導き、黄金時代を築き上げた野村克也監督の場合、通訳にはコーチ以上の役割を常に求めていました。たとえば、外国人打者に対する攻め方や配球と、日本人選手に対するそれとでは大きく違います。つまり、チームで行う全体ミーティングで伝えられるデータが、外国人選手には参考にならないのです。その違いについては通訳が一番理解しているはず、というのが野村監督の理論でした。その他、選手本人だけでなく、選手の奥さんや子供が日本で快適に過ごせるよう、ありとあらゆるサポートを惜しまないのも、成功の要因でした。

このたび、そうした経験をもとに、日本で「成功する選手」と「ダメ外国人」を分ける18の判断基準を解説したほか、失敗を繰り返していたあの球団の内幕を明らかにした、『プロ野球 最強の助っ人論』(講談社現代新書)を上梓しました。多くの野球ファンに手に取っていただけたら幸いです。

          (読書人の雑誌『本』2015年4月号掲載記事を一部改編) 

著者=中島国章
プロ野球 最強の助っ人論
(講談社現代新書、本体価格740円+税)

【本書のおもな項目】
2015年注目の新戦力/日本プロ野球史上「最悪の外国人選手」/イニング途中の守備交代に激怒したマニエル/ホーナーの衝撃/ヤクルト黄金時代の舞台裏/ラミレス獲得の狙いとペタジーニ移籍の背景/マグワイヤが日本では通用しない理由/バースがヤクルトのユニホームを着ていた可能性/名選手とダメ外国人の違い/大失敗の可能性が高いタイプ/〝扇風機〟の見分け方/ファウルの仕方と重心移動に注目/日本人にはない資質と「ディセプション」に注目/巨人に〝ポンコツ〟が多かった背景/名前重視の獲得から現地スカウト体制の導入へ/勝敗よりも被打率と登板イニング数を重視/三振が少ない=選球眼がいいとは限らない/マエケンの活躍は難しいのではないか ほか   amazonこちらをご覧ください