がん糖尿病肥満老化…何にでも効く 驚異の「腸内フローラ」——調べてみたら、本当に凄かった

「NHKスペシャル」で話題沸騰!
週刊現代 プロフィール

また、ゴードン氏らは、肥満の親から生まれた双子で、一方は肥満、もう一方は痩せているという人々を集めて腸内細菌を調査しました。すると、肥満の子は親と似た腸内フローラを持ち、痩せている子は親とは異なる腸内フローラに変化していた。調べると、食生活の違いが腸内フローラを変えていることがわかったのです」(前出・辨野氏)

体質は遺伝する—従来はこれが常識だったが、腸内フローラを調整すれば体質まで変えられるということになる。肥満家系に生まれた人でも、「デブ菌」を除去すれば、痩せることも可能になるはずだ。

■がん

腸内フローラが、腸だけでなく全身に影響を与える理由は、腸内細菌が食物繊維などを代謝して出す「物質」の作用によるものだと考えられている。

たとえばNHKスペシャルでは、がんを引き起こす「アリアケ菌」なる腸内細菌が紹介された。これは、がん研有明病院の研究者が発見した新種の腸内細菌。このアリアケ菌が出すDCAという物質が、ヒトの細胞に作用して細胞老化を引き起こし、がんにつながるのだという。

さらに、肥満になるとアリアケ菌が増加することも判明。肥満の人はがんになりやすいと言われていたが、その因果関係は解明されていなかったため、この発見は世界的にも注目を集めている。

腸内フローラからこの菌を取り除くことさえできれば、がんを未然に防ぐことができるようになるだろう。

すでにサプリも登場

■糖尿病

糖尿病は、血糖値を調整するインシュリンが膵臓から分泌されにくくなる病気だ。米ルイジアナ州立大学教授のフランク・グリーンウェイ氏は、本誌の取材にこう答える。

「ある腸内細菌が出す短鎖脂肪酸という物質の量が増えると、インシュリンの分泌も増加することがわかりました。その腸内細菌を増やすための食物繊維やポリフェノールを含んだ薬を、腸内フローラに投与する臨床試験を行っています」

その薬を糖尿病患者に投与すると、インシュリンの分泌量が4倍にも増えた。じつはこの薬、実用化も近づいているという。グリーンウェイ氏が続ける。

「いま、従来の糖尿病治療薬で副作用が出てしまう患者や、糖尿病予備軍の人を対象に研究を進めていて、良い結果が得られています。従来の糖尿病治療薬によって、下痢やけいれんといった副作用が起こる方がいるのですが、研究中の新薬では、血糖値を下げるだけでなく薬の副作用を軽減する効果もありました。

糖尿病予備軍の血糖値を下げるための製品は、うまくいけば1年半ほどで米国の市場に出すことができるのではないでしょうか」