がん糖尿病肥満老化…何にでも効く 驚異の「腸内フローラ」——調べてみたら、本当に凄かった

「NHKスペシャル」で話題沸騰!
週刊現代 プロフィール

腸内細菌の中には、悪い働きをするものもいれば、良い働きをするものもいる。それぞれの菌がどのような働きをするか、これまでほとんどわかっていなかったが、技術革新によって膨大な細菌の遺伝子解析が可能になったことで急速に研究が進歩した。その結果、どの細菌がどのような働きをするのか、新たな事実がわかるようになってきている。

たとえば、Aという菌ががんを引き起こす原因を作っているとしよう。その菌を腸内に持っていない人はがんのリスクが低いが、Aが腸内で大量に増殖している人は、がんのリスクが高くなる。どんな種類の菌がどのようなバランスで存在しているかによって、その人の病気になるリスクや体質が異なってくる。

逆に言えば、腸内フローラのバランスを調整することで、あらゆる病気を予防したり治したりすることができるようになるというわけだ。

「腸内フローラは、私たちの健康だけでなく、寿命さえも左右しているといっても過言ではありません」

前出の辨野氏はこう話す。

これを扱ったNHKスペシャル『腸内フローラ~解明!驚異の細菌パワー』(2月22日放送)も話題を呼んだ。

「腸内細菌がこれほどの力を秘めていたとは!」「本当にこんなにすごいのか?眉唾ではないか」など、このNHKスペシャルに、さまざまな意見が飛び交った。

腸内の環境を整えるだけで、ダイエットができて病気が治り、若返りまでできる—本当だとしたら、たしかにあまりにも都合のいい話だ。実際はどうなのか。どんな働きがわかり、どのような病気の治療法が発明されているのか。本誌でも調べてみた。

太る「体質」を変える

■肥満

'06年、米国ワシントン大学のジェフリー・ゴードン医師らは、英国の科学雑誌『ネイチャー』にこんな発表をした。

痩せたマウスと太ったマウスでは、腸内細菌のバランス(つまり「腸内フローラ」)に異なる特徴があることが判明。そこで、腸内を無菌状態に保ったマウスに、太ったマウスの腸内細菌と痩せたマウスの腸内細菌をそれぞれ移植。すると、痩せたマウスの腸内細菌を与えたほうに比べて、太ったマウスの腸内細菌を与えたマウスは劇的に変化した。体脂肪が47%も増加したのだ。

「腸内細菌の中には、肥満を促進するいわば『デブ菌』なるものが存在するということがわかってきたのです。