東京五輪の「総合演出」はこの人に決まる「最高の栄誉」を手にするのは誰?

秋元康、三谷幸喜、蜷川幸雄、野田秀樹、「大穴」北野武に、ウルトラCは宮崎駿
週刊現代 プロフィール

三谷幸喜より野田秀樹

'64年の東京五輪では、総合演出は不在。1998年の長野冬季五輪で総合演出を務めたのは、劇団四季の浅利慶太だった。

作詞家で音楽評論家の湯川れい子氏は、長野五輪の演出をこう振り返る。

「あの時は、大相撲の土俵入りや、日本人ですら馴染みの薄い、県民歌『信濃の国』での入場など、無理やり日本風味を入れようとして失敗しました。だから長野の二の舞だけは避けてほしい」

日本の伝統文化を盛り込むだけでは、世界に誇れる開会式にはならない。長野五輪の失敗を踏まえて、「新しい日本らしさ」を世界にアピールできるのは、一体誰なのか。

湯川氏は「世界のニナガワ」こと演出家の蜷川幸雄を推す。

「世界的な知名度、実績から考えても蜷川さんなら、申し分ないと思います。さらに娘の実花さんも優れた映像作家なので、蜷川親子が組めば、新しい『美』を作り出してくれるはずです。

父の幸雄さんが、伝統芸能である歌舞伎や能を取り入れ、それを娘の実花さんが、最新鋭映像技術を使って、巨大なホログラフに映し出せば、世界も驚くでしょう」

とはいえ、蜷川幸雄は現在79歳。5年後の東京五輪では、80歳を超え体力的な心配もある。

ならば、脚本家、演出家、映画監督とマルチな才能を持つ三谷幸喜(53歳)はどうか。

「三谷さんを批判するつもりはありませんが、彼は、五輪の演出には向かないと思う。三谷さんはテレビや映画、つまりフレームという制約がある中で表現するのはうまいのですが、その反面、制約のない大きな舞台では小さくまとまってしまう危険性がある」(演劇評論家の中村義裕氏)

本命には、蜷川と同様に、日本が誇る世界的な演出家・野田秀樹(59歳)を推す声も多かった。

「野田さんが演出した、壊れやすいボールを移動させる架空のスポーツで五輪出場を目指す選手たちを描いた戯曲『エッグ』は、パリで公演が決まるほど海外からも高い評価を受けています。また『THE BEE』では全編英語のイギリス公演を成功させ、名誉大英勲章を受章している。

野田さんは、一つの芝居の中に原発問題、天皇制と様々な要素を組み込める作家でもあります。3時間の開会式でも観客が退屈することはないでしょう」(中村氏)