【沿線革命026】 東京都が中間整理、BRTが湾岸部の「鉄道不足」を救う!

阿部等(交通コンサルタント)

環状2号線経由での東京駅アクセスは得策でない

中間整理では、新橋からL字型に曲がって東京へアクセスすることが破線で示されているが、スクランブル交差点(車道の青時間が短い)の数寄屋橋も通り、新橋から東京までわずか1.9kmを、平日昼間は早くても10分、大渋滞したら20分近く掛かりかねない。新橋でJRに乗り換えた方が、よほど早い。

湾岸部は東京へのアクセスの希望が強いが、勝どき・晴海地区から東京へのアクセスは、月島を経由した方が短時間である。

湾岸部から東京アクセスのBRTを運行するなら、晴海-月島-入船橋-八丁堀-東京、または勝どき-月島-佃-新川-八丁堀-東京のルートとすることを提案する(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zo0ekc4hc9Xw.krjy7OSlbu0U)。

それにより、人口集積の高いTHE TOKYO TOWERS(http://www.ttt-rent.com/location/)や大川端リバーシティ(http://www.mitsui-chintai.co.jp/resident/original/rpt/lifestyle.html)の交通利便性も高められる。

晴海通りにはロープウェイが欲しい

【013】にて、晴海通りへのロープウェイの導入(https://www.google.com/maps/d/embed?mid=zo0ekc4hc9Xw.kg5sSYpL8gmQ)を提案した。

環状2号線へのBRTとともに、先に開発の進んでいる晴海通りのエリアにも充実した公共交通が欲しい。

今の都バスのルートへ専用レーンを導入するのは、環状2号線へ導入するより、社会的同意をまとめるのがはるかに難しい。交差点優先信号を導入しても、交差点が多く、所要時間の短縮には限度がある。

一方、立体交差で走行できる、ゆりかもめのような新交通システムは、景観の面で地元の反対が強い。地下鉄は莫大な工事費を要する上に、駅間距離は長くなり、上下移動が激しく、ドアツードアの所要時間は意外と掛かる。

そこで登場するのがロープウェイである。自動循環式として次から次に運行し、待ち時間を限りなくゼロに近くする。地下鉄より少ない上下移動で乗り降りできる。最高速度は低くとも、数km程度の移動では、待ち時間を含む所要時間は最も短い。

イノベーションにより強風にも強くなった。ゴンドラ(搬器)を大きくし、かつ運転時隔を縮めれば輸送力を大きくできる。イノベーションを要するが、50人乗りを12秒間隔で運行すれば15,000人/時となる。

工事費は地下鉄よりはるかに安い。景観への影響は新交通システムより少ない。見方を変えれば、未来都市の景観上のシンボルとなり、眺望の良さから観光資源として非常に魅力的だ。

興味をお持ち下さり、【013】をまだ読んでいない方は、ぜひお読み願いたい。

その末尾の「湾岸部の交通は心配ない、未来は明るい!」に、「環状2号線のBRTと晴海通りのロープウェイの二本立ては、数十年先までの湾岸部の開発に伴う移動ニーズに対し、幹線の輸送としては対応し切れると確信している。」と書いた。中間整理を読んでも、その確信は変わっていない。

阿部等(あべ・ひとし)
1961年生まれ。東京大学 工学部 都市工学科卒。88年にJR東日本へ入社、保線部門を中心に鉄道の実務と研究開発に17年間従事。2005年に同社を退社し(株)ライトレールを創業、交通計画のコンサルティングに従事。著書『満員電車がなくなる日』。日経ビジネスオンライン「キーパーソンに聞く」が好評。FacebookTwitterにて実名で情報発信。交通や鉄道の未来を拓きたい方のために、交通ビジネス塾(http://www.LRT.co.jp/kbj/)を主催し、工学院大学オープンカレッジ鉄道講座(http://www.LRT.co.jp/kogakuin/)の事務局を務めている。
毎回、多数の方がツイッターその他で拡散下さり、ありがとうございます。
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