【沿線革命026】 東京都が中間整理、BRTが湾岸部の「鉄道不足」を救う!

阿部等(交通コンサルタント)

2020年、湾岸BRT時刻表

【012】で提案した未来時刻表を、虎ノ門発と新橋発を並べてもう一度示そう。

虎ノ門-選手村、虎ノ門-ビッグサイト、新橋-選手村、新橋-ビッグサイトの4系統を、それぞれ朝2分(一部3分)おき、夕3分おき、その他5分おきに運行する。

中間整理では、虎ノ門から新橋を経由して湾岸方面へ運行するルート案となっているが、連続して地下トンネルが繋がっているのに、わざわざ一旦地上に出て所要時間を伸ばすのは時間のロスだ。

虎ノ門-新橋には東京メトロ銀座線があり、BRTで行き来する必要はない。虎ノ門発着と新橋発着は別系統とし、虎ノ門発着の速達性を高めるべきだ。

また、【010】では、新橋から晴海方面の地下トンネルの出入口までは離れていると想定していたが、その後、詳細図が入手でき、近いことが判明した。

新橋-築地1.2kmを表定速度(距離を、停車時間を含む所要時間で割ったもの)12km/h、所要時間6分としていたのを、表定速度25km/h、所要時間3分に改める。それにより、虎ノ門からも新橋からも、晴海選手村へ8分、ビッグサイトへ13分となる。

ピーク1時間は、4系統を併せて120本、30秒おきの運行となる。連接バスとして1便当たりの定員を130人とすると、15,600人/時の輸送力となる。

中間整理に示されているLRTの4,000~10,000人/時を上回り、新交通システムの7,000~20,000人/時にも伍する。

以上は輸送力の上限であり、開業初期は輸送力過剰となる。輸送力を適正化するために、運行本数を減らすのでなく、車両を小さくして運行頻度を高くすることを提案する。現在、連接バスを生産できる国内メーカーはなく、湾岸部の開発が途上の開業初期は、購入費の安い通常のバスとすべきだ。

BRTの早期開業

2019(平成31)年度の開業というのは、環状2号線の全通に合せるためのようだ。

勝どき・晴海地区には、最寄り駅まで遠く、また都バスの速達性・定時性の低さには辟易としている人が多い。元々、中央区は2016(平成28)年度の運行開始を目標としていた。

環状2号線の全通が2019(平成31)年度となるのは、築地市場の豊洲新市場への移転が2016(平成28)年11月へ遅れ、移転後でないと本格的な工事ができない区間があるためだ。

新橋ルートで早期開業する方策を提案する。

築地市場の南端に、一方通行2車線の搬出用道路がある。拡幅工事が始まり、市場移転後に環状2号線の開通区間と接続して暫定路線とすることになっている。市場移転前に環状2号線と接続し、路線バスに限り両方向通行可に交通規制を改めれば、新橋-ビッグサイトの系統は運行できる。

燃料電池車両の導入

中間整理では、水素社会の実現に向け、燃料電池車の導入が盛んに謳われている。舛添知事の肝いり政策だ。

燃料電池車は、水素からエネルギーを取り出し、水しか出ない素晴らしいものだと喧伝されているが、水素の生産には大量の電池を必要とし、本当に省エネで低環境負荷になるのか、私は確信を持てていない。

交通によるエネルギー消費・環境負荷を下げるには、BRTのそれらを小さくするとともに、高利便・低コストとして自動車からシフトさせ分担率を高めることも効果的だ。

水素ステーションの設置や車両費が高額で、その分、BRTの利便性を上げる経費が不足し、結果的に自動車利用が増えてエネルギー浪費、高環境負荷となったのでは本末転倒だ。