それ以外に、首都圏は大地震のこんなリスクも抱えている。前出の濱嶌氏が言う。
「房総沖には、日本海溝、伊豆・小笠原海溝、相模トラフという3つの海溝(プレートが沈み込んでできる溝)が集まる『三重会合点』と呼ばれる場所があります。このように3つの海溝が1点で接する場所は、世界で唯一です。
東日本大震災が日本海溝で起こったことで、三重会合点の力のバランスを取るために他の2つの海溝が動き、その2つの海溝で地震が起こるリスクが高まっていると言えます。
さらに'12年には、伊豆小笠原海溝で300km、160kmに及ぶ2つの巨大な活断層が発見されました。ここでM9クラスの巨大地震が発生する可能性も充分ありえます」
この房総沖で巨大地震が起きた場合、その被害は凄まじいものになるという。
「東京湾に5~6mの津波が押し寄せる危険があります。東京湾は閉鎖的な空間のため、海水が逃げる場所がない。津波が来たら、湾岸の臨海工業地帯は壊滅的な被害を受け、3000基ともいわれる燃料タンクが破壊されます。大規模な火事が発生することは避けられません」(前出・濱嶌氏)
東日本大震災から、もうすぐ4年が経過する。「もう4年」と思う人もいるかもしれないが、被災地の人々にとっては「まだ4年」。
あれほど大きな被害を受けたのだから、2度目はないはず—そう思いたくもなるが、日本に住んでいる以上、地震のリスクから逃れることはできないのである。
「週刊現代」2015年3月7日号より
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