ビジネスマンも、就活生も必読 トヨタ パナソニック 伊藤忠 三菱東京UFJ銀行 野村證券ほか 一流企業の「部長・課長」50人に聞いた もし人生をやり直せるなら、「あの会社」に入りたい

週刊現代 プロフィール

かたや伊藤忠社員に言わせれば、「岡藤正広社長はイケイケで、『小粒な案件はいらない』『100億円の案件を持ってこい』と発破をかけている。いままでとは違う規模感の案件を突然持ってこいとハードルばかりが上がって、きつい」。「組織の三菱」で大きな仕事のやり方をじっくり学ぶか、業界3位からの「追う側」として血気盛んに働くか。社風に合う合わないが大きく分かれる業界なのだ。

そんな商社と並ぶ就職人気上位に立つ銀行業界から聞こえてくるのは、「やりがいに限界がある」(三菱東京UFJ銀行・部長)との寂しい声。

規制業種なので金融商品は横並び、過剰なリスクも取れないので大きな勝負の舞台にも恵まれない。細かくカネを右から左に流して、小さな利鞘を取る日々に、「俺の人生はこんなはずじゃなかった」と悔やむ人が多い。みずほ銀行社員が言う。

「そのうえ、かつての都銀がどんどん再編されてメガ3行に集約されましたが、三菱東京UFJでは旧三菱、三井住友では旧住友が強くて、UFJ出身者や三井出身者は出世の限界にも直面する。うちは興銀、第一勧銀、富士がいまだに勢力争いをしているし……。社内政治をするために銀行マンになったわけではないと忸怩たる思い」

同じく再編が進んだ損保業界では、「『学歴』によって会社選びを考えたほうがいい」と東京海上日動社員が指摘する。

「うちは東大閥が強いけれど、学閥間での足の引っ張り合いがすごい。『彼がしている営業手法はコンプライアンス上、問題だ。調査しろ』、『だれとだれが不倫している』といった人事への密告も少なくない。うちの丸の内本社ビルが赤いのは『血の赤』だと言われるのも、そうした社風のため。一方、三井住友海上は私大卒が多いので、東大など国立大卒が重宝がられる。東大生なら三井住友海上にいったほうが幸せになれる確率が高いと思う」

航空業界では、JAL、ANAともに他業種への転身を希望する声が聞かれる。同業他社への移籍には、最近のこんなほろ苦い「事件」があったのが大きく影響している。JAL社員が言う。

「うちが破綻する前に転職して出て行った人たちは少なくないけれど、後悔した人も多い。特にスカイマークに行った人たちはまた破綻だから、実は会社を出ないで残っていたほうが幸せだった。視界不良がこれからもしばらくは続く業界だから、おすすめはできない」

仕事の醍醐味が違う

歴史に残る大きな街づくりを目指して不動産業の門戸を叩くなら、「絶対的な存在は三菱地所と三井不動産。丸の内、大手町、という東京の中心を大規模に開発できる醍醐味と利権はこの2社が握っている」(鹿島社員)。

意外なところでは、東急電鉄をすすめる声も。

「三菱、三井といった財閥系よりも実はおもしろいのが電鉄系で、中でも東急電鉄は出色。というのも、デベロッパーという言葉の本来の意味を考えると、人々の衣食住そのすべてにかかわる仕事であるべき。電鉄系はまさに人々の足の役割を担い、駅を中心に駅ビルから住宅まで広く街そのものを作れる。東横線や田園都市線など、都内でも有数の人気地域に路線を敷いている東急電鉄での仕事はおもしろいと思う」(住友不動産社員)