【沿線革命024】 勝どき駅の混雑はダイヤの工夫で大幅緩和できる

阿部等(交通コンサルタント)

勝どきの混雑解消策の遅れ

混雑解消策として、ホーム増設・コンコース一体化・出入口増設の工事が進んでいる。

勝どきの混雑緩和策として進む工事(東京都交通局HPより)

2015(平成27)年度の供用開始を目標としていたのが、2018(平成30)年度へ延期されることが2014(平成26)年11月に発表された。「勝どき駅利用者の憂鬱」がさらに長引くこととなってしまった。

工事が延びる理由として、5点が挙げられている。
①地下埋設物が輻輳し移設工事に時間を要した。
②土留め杭の打ち込み箇所に地中支障物があり撤去に時間を要した。
③詳細に地質調査したら新設ホーム下部の地盤改良を厚くする必要が生じた。
④建設時に埋め戻した既設ホーム上部の地盤が予想外に高強度で掘削に時間を要する。
⑤乗降客数が当初見込みより増加し安全のため工事中の利用者動線を見直す。

これらは如何ともしがたいとして、ソフト的な工夫で混雑を緩和できないものだろうか。

混雑の様子を数字で追う

2015(平成27)年1月20日の朝8時台の1時間、全列車の到着時刻とホーム上の行列の途切れ具合を記録した。

勝どきの朝8時台の全列車の着時刻とホーム混雑(2015(平成27)年1月20日の現地調査に基づき独自に作成)

外回りは大門・六本木方面、内回りは両国・春日方面である。両方向とも、乗る人より降りる人の方がはるかに多い。外回りは北方面と東方面から通って来る人、内回りは南方面と西方面から通って来る人が多い。

「混雑終了」とはホーム上の行列が途切れた時刻、「混雑時間」とはその行列を作った列車の到着時刻からの時間を示す。「空き時間」とは行列のない時間を示す。

多くの場合、ある列車の到着後、反対方向の列車がすぐに到着しないと、1分~1分30秒で行列はさばける。さばけないうちに反対方向の列車が到着すると、行列がもう1回伸びて2分30秒から3分でさばける。

内回りの8:21.47着のように、遅れて先行列車との間隔の開いた列車の場合は、降りる人数が多く、反対方向の列車と合せて行列がさばけるのに3分30秒くらいを要している。

外回りの8:40.43着と内回りの8:41.47着のように、遅れて先行列車との間隔の開いた列車が両方向とも到着すると、行列が非常に長くなり、さばけないうちに次の列車が到着することがしばらく続く。

混雑は途切れずに続くわけでない

8:40過ぎの遅れた列車が両方向とも到着した時間帯以外は、行列はいったん途切れている。

地上で観察しても、「歩道を埋める人、人、人」は常時続くわけではなく、列車の到着からしばらく続いた後、空く時間があり、次の列車の到着でまた混むの繰り返しなのだ。

『ブルームバーグ』2014(平成26)年7月3日記事(http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N4KWQH6TTDS701.html)にある「階段は人波で身動きが取れない。また地元の乗客の一群と交錯し、ホームは乗降客であふれる。」は確かにそうなのだが、途切れずにずっと続くわけではない。「客が地上へ出きらないうちに次の電車が到着」ではない。