[サッカー]
大野俊三「今季こそ鹿島優勝!」

スポーツコミュニケーションズ

昇格クラブに加わるベテランの難しさ

 優勝争い以外にもJ1に上がってきたクラブの戦いぶりも注目が集まります。特に初昇格の松本山雅FCがどんなサッカーを見せてくれるかは楽しみです。昨季、J2を圧倒的な成績で制した湘南ベルマーレはベテランのDF坪井慶介を浦和レッズから補強しました。

 僕もJリーグ入りしたばかりの京都パープルサンガ(当時)に移籍した経験があります。先に鹿島から京都入りした杉山誠さんとともに、僕たちがチームを引っ張っていかなくては、との思いは強いものがありました。

 ところが……その気持ちが既存の選手たちとのギャップを生んでしまったのです。下のカテゴリーから上がってきたメンバーはトップレベルのスピードに適応できず、僕たちとの感覚がかみ合わないまま、守りが空回りしてしまいました。結果は開幕17連敗。個人としてもチームとしても苦しいシーズンを過ごしました。

 もし当時にもう一度、戻れるなら、オレがオレがではなく、もう少し周りの選手をうまく使い、こちらがリスクの芽を摘むサポート役に回ったことでしょう。そしてチームの歯車をかみ合わせることを重視すればよかったと感じます。坪井クラスの選手であれば、重々承知していることだと思いますが、若手とうまく融合しながら昇格したばかりの湘南を支えてほしいと思います。

<大野俊三(おおの しゅんぞう)プロフィール>
元プロサッカー選手。1965年3月29日生まれ、千葉県船橋市出身。1983年に市立習志野高校を卒業後、住友金属工業に入社。1992年鹿島アント ラーズ設立とともにプロ契約を結び、屈強のディフェンダーとして初期のアントラーズ黄金時代を支えた。京都パープルサンガに移籍したのち96年末に現役引退。その後の2年間を同クラブの指導スタッフ、普及スタッフとして過ごす。現在、鹿島ハイツスポーツプラザ(http://kashima- hsp.com/)の総支配人としてソフト、ハード両面でのスポーツ拠点作りに励む傍ら、サッカー教室やTV解説等で多忙な日々を過ごしている。93年J リーグベストイレブン、元日本代表。