「空き家」を持っていると大損する!? 知らぬ間に法改正されていた

週刊現代 プロフィール

では、どうしても買い手がつかず、売れないというケースはどうすればいいのか。自治体にすら引き取ってもらえない空き家は、すでに多数生まれている。

その場合の手段の一つとして考えられるのが、本当にタダで貸してしまうという方法だ。

前出の榊氏が言う。

「秋田県から出てきた知人がいるんですが、父親が高齢者施設に入ってしまい、土地と家を引き継いだ。広い土地があって大きな家もあるが、駅から遠く、資産価値はゼロ。どうしているかというと、近所の人にタダで貸しているんです。『田んぼで米ができると、4俵送ってもらうんだ』と言っていましたね」

賃料がタダでも、管理者がいるため、このケースならば前述の「特定空き家」には該当しない。つまり、固定資産税は従来どおり更地の6分の1で済む、というわけだ。

タダで借りてくれる人もおらず、本当に身動きのとれない人はどうすればいいのか。前出の牧野氏が言う。

「更地にして野に返すしかありません。ただ畑や野に戻すとすれば、いままで『宅地』として登記されていた土地は、『山林』や『畑』といった地目に戻すべきです。そうすれば固定資産税は安くなります。でも税金を徴収する側の自治体は、財政の約半分を固定資産税によって賄っていますから、すぐに地目を変えることには応じないでしょう。

『貸せない』、『売れない』不動産に対する固定資産税評価額に不満を持つ人も増えるはずです。この議論が、いままでひたすら住宅を造り続けてきた、日本の都市計画全体を見直していくきっかけになるかもしれません」

相続しない選択もある

とはいえ、自分を育ててくれた生家を更地にするのは、感情的に受け入れがたい、という人も多いだろう。そんな人は、ALSOKや東急リバブルといった民間の住宅業者が行う、「空き家管理サービス」を利用するのもいいかもしれない。当然、この場合も「特定空き家」にされることはない。

ただ、業者に管理の代行を頼むにしろ、相応の出費は免れない。富士通総研上席主任研究員の米山秀隆氏が語る。

「民間のサービスですので当然、料金が発生します。その相場は、月1万円、年間で12万円です。固定資産税に加え、この額を支払うのがいいのか。十分に検討が必要です」

売るのは嫌だし、業者に委託するのも厳しい。その場合は、自分で定期的に実家に帰ってメンテナンスするしかない。ただ、そのためだけに交通費と時間をかけるのが、合理的か。これもよく考えなければならない問題だろう。