その永田さんと私が京都住いであることも幸いしました。永田さんはこの京都の洛中で「妖精村」という工房を主宰し、その村長さんですので、この世におけるありとあらゆる「妖精」について精通している方です。その方が渾身の力をふりしぼって、千変万化するお地蔵さんの姿とその魅力を存分に描いて下さったのですから、これ以上の喜びはありません(『おじぞうさんはいつでも』文・山折哲雄/絵・永田萠)。
京都は、ご存知のように夏ともなれば子どもたちのための「地蔵盆」でにぎわう土地柄です。少子化で、子どもたちがすくなくなってはいますけれども、地域ごとにその慣習を守っていこうと工夫をこらし汗を流している大人たちもたくさんいます。ああ、この日本列島はまさにお地蔵さん列島だったんだな、ということにあらためて気づかされているのであります。
(やまおり・てつお 宗教学者)
読書人の雑誌「本」2015年3月号より
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山折哲雄・著
『おじぞうさんは いつでも』
講談社 税別価格:1400円
東日本大震災で、いつも人々を見守るおじぞうさんもまた、多くが被災しました。ふたたびおじぞうさんの姿を、そこここに見つけることができることを願って生み出した心の絵本。うれしいとき、つらいとき、苦しいとき、おじぞうさんは、きっとそばにいてくれる。花の春、あつい夏、虫のなく秋、こがらしの冬、いつでも、子どもたちを見守っている。
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