【沿線革命023】 京浜急行と京成電鉄を直結して羽田と成田を近付ける

阿部等(交通コンサルタント)

現行の成羽ルートと日暮里から成田へのアクセスの時刻表

「成羽」とは成田-羽田の略である。延長は85.4kmで、線路保有主体は7社、運行主体は3社と、複雑な形態となっている。

現行の京成上野12~13時台の羽田・上野→成田方向の時刻表を示す。

現行の成羽ルートの昼間の2時間分(公開データから独自に作成)

成羽を直通するエアポート快特(押上まで)~アクセス特急(押上から)は40分おきに運行し、所要時間1時間35~36分である。表定速度(距離を、停車時間を含む所要時間で割ったもの)は53~54km/hとあまり速くない。運賃は1,610円で、リムジンバスの3,100円よりだいぶ安い。

その19分後のエアポート快特は青砥止まりで、直後の本線経由の特急に乗り換えると成田空港へ行けるが、21分後のエアポート快特~アクセス特急の4分前の到着で、利用価値はあまりない。

京成上野-成田空港43分、表定速度96km/h(日暮里-空港第2ビルは36分、102km/h)、運賃+料金2,470円のスカイライナーは、途中停車がなく、乗り換えを含めても成羽アクセスには使えない。

その他に、京成上野-成田空港を京成本線経由で1時間18~21分、表定速度51~53km/hの特急がおおむね20分おきにあるが、全て後発のスカイライナーより遅くに成田空港へ到着する。

スカイライナーは、京成高砂をアクセス特急が出発した3分後くらいに通過し、次の東松戸も通過で追い越す。京成高砂に停車させればアクセス特急から乗り継げ、成羽アクセスが14~15分短縮される。

京成高砂~東松戸では先行のアクセス特急の後追いでノロノロ運転となっているので、京成高砂に停車させても所要時間は伸びない。

また、京成上野は、京葉線の東京と比べたらそれほどでもないのだが、上野から離れているとのイメージが強い。京成上野-日暮里は急曲線の連続で速度も低い。多くの人は日暮里で乗り継ぎ、京成上野の乗降人員は日暮里の半分以下(http://www.keisei.co.jp/keisei/tetudou/accessj/)である。

現行、実際に利用価値のある列車は、羽田→成田と上野(日暮里)→成田ともに40分おきということである。

リムジンバスは1時間5~25分の所要時間で、15~20分おきで運行(http://www.limousinebus.co.jp/area/narita/haneda.html)している。運賃は鉄道より高く、定時性にも不安があるので、鉄道がダイヤを工夫すればシェアを大きく獲得できると感じる。

スカイライナーの特急料金を節約するために、時間が余計に掛かるのを承知で、アクセス特急や京成本線経由の特急を使う人も多い。

今まで何回か書いているように、所要時間が長いほど車両と乗務員が余計に必要で、鉄道事業者のコストはむしろ高い。高コストかつ低利便の列車を多くの人が使っているのは合理的でない。

2025年、成羽ルートの時刻表

品川-日暮里の重層利用による直結線が2025年までに実現できた場合の昼間の想定時刻表を示す。利用の少ない京成上野-日暮里の地下ルートは廃線する。

2025年の成羽ルートの昼間の20分サイクル×3(独自に作成)

停車駅の少ないスカイライナーと、停車駅の多い特急を各20分おきとする。いずれも、現行のスカイライナーと同様に最高速度160km/hとする。

羽田国内線-成田空港は89.1kmとなり、スカイライナーの所要時間60分、表定速度89km/hである。リムジンバスを利用する価値はなくなるだろう。

泉岳寺-押上の都心直結線構想より、全体延長と、速度の出しにくい旧来路線(押上-青砥または日暮里-青砥)の延長とも伸びるので、東京-成田空港の所要時間は若干長くなっている。スピードアップの余地がだいぶあるが、今回は現行と同様の速度とした。

徹底的に利便性を追求して各10分おきとしたいが、成田湯川-成田空港が単線で20分に3本が列車設定の上限なので、1本は本線経由の列車とし、成羽ルートはスカイライナーと特急を各20分おきとした。

品川-日暮里は山手・京浜東北線と同じ駅配置とし、スカイライナーと特急以外に何種類かの種別・区間の列車を運行する。品川が2面4線となる他、東京と上野も2面4線とし、優等列車と下位列車の間で追い越し・接続させるダイヤとする。