熱いぜ、広島 帰ってきた黒田と待っていたマエケン「男たちの友情」二人のエースには二人しか知らない物語があった

週刊現代 プロフィール

前田のために勝ちたいと思っているのは、中田だけでない。いまやカープの「野手の顔」となった、菊池涼介(24歳)もそうだ。

「今でこそ球界一のセカンドと呼ばれる菊池ですが、かつてはプレーが雑で、エラーの多さが課題でした。菊池がプロ2年目だった'13年のシーズンでは、前田が投げている試合で、1試合に3つのエラーをしてしまったこともあった。その結果、敗戦。誰が見ても責任は菊池にあり、野村謙二郎前監督も試合後、『ミスでやられた』と激怒していた。

だけど、前田だけは違った。『(野球に)ミスはつきもの。カバーしてあげられなかった』と自分を責めたんです。菊池は心を打たれたんでしょう。その後、前田が投げる試合では『1点も取らせない』という気合を前面に出し、幾度となく窮地を救っています」(前出の球団関係者)

それぞれが強い結束で結ばれている、カープのベテラン陣と若手たち。そして、その中心にいる二人のエースもまた、互いを信頼し合っており、その結束にほころびは見えない。

それだけに、高橋慶彦、北別府学、山本浩二らがいた'84年以来の優勝へ、期待は高まっている。

当時、北別府とともにダブルエースとして活躍した大野豊氏が言う。

「若い前田の肩にかかっていた重圧を、黒田が分担してくれる。そして若い選手たちは、黒田を手本に自分に足りないもの、弱いものを知り、どんどん成長していく。黒田の存在は、前田だけでなく、カープというチーム全体の力も底上げしてくれるでしょう。

私は前田には15勝以上、黒田にも同じくらいの勝ち星を期待している。24年ぶりの優勝は夢でなく、本当に現実味を帯びています」

メジャーでの経験を若きエースに伝えるため、カープに帰ってきた黒田と、頼れる存在を待っていたマエケン。熱い友情で結ばれた赤ヘル戦士たちと共に、二人のエースは、悲願の優勝に向け戦っていく。

「週刊現代」2015年2月21日号より