熱いぜ、広島 帰ってきた黒田と待っていたマエケン「男たちの友情」二人のエースには二人しか知らない物語があった

週刊現代 プロフィール

黒田と強い友情で結ばれている男がもう一人。黒田と同じく、昨年オフに広島に復帰を決めた新井貴浩(38歳)だ。二つ年下の新井は、黒田にとってかけがえのない「戦友」だ。

「大戦力として帰ってくる黒田と、レギュラーすら約束されていない新井。いまでこそ立場はまったく違いますが、万年Bクラスだった頃のカープでは、投の柱が黒田なら、打の柱は新井でした。共に伝統の猛練習に耐え、共に弱小だったカープを支えてきた、という意識があるんです。

報道はされていませんが、毎年オフに会って、お互いの近況を語り合っていました。3年前、阪神にいた新井がFA権を獲得したときも、黒田とはカープ復帰について話していたようです。そのときは黒田がメジャーに残ると決めたため実現はしませんでしたが、それほど二人の友情、そしてカープに対する思いは強いんですよ」(前出の球団関係者)

いま、カープの春季キャンプが行われている宮崎県日南市のグラウンドには、全体練習が終わった後も一人黙々と走り続ける新井の姿がある。

孤独な居残り練習をするのはなぜか。そう問われると新井は、こう答えた。

「僕が4番で、黒田さんが投げる試合でホームランを打つ。ドラマのような話だけど、そうなるように頑張りたい」

かつて黒田と共に戦ったベテラン陣が闘志を再燃させているのと同じように、前田の姿を側で見てきた若手たちもまた、今年にかける意気込みは強い。

中でも、誰よりも前田を慕い、活躍を誓っているのが、二つ年下の投手、中田廉(24歳)だ。

ドラフト2位で'10年に入団した中田だが、'13年までは二軍と一軍を行ったり来たり。それが昨年、ようやく才能が開花し、66試合に登板。9勝を挙げた。

「中田が飛躍するきっかけを作ってあげたのが、前田でした。'13年のオフ、前田は伸び悩む中田を自主トレに誘い、『いいボールを投げているんだから、あとは気持ちだけ』と励ました。

大エースであることをまったく鼻にかけず、親身になって指導してくれる前田の恩に報いるため、中田は発奮し、結果を残したんです」(前出の記者)

24年ぶりの優勝へ!

昨オフ、かねてからメジャー挑戦を希望していた前田には、ポスティングによって移籍をするという話もあった。しかし前田は、「カープで優勝したい」と残留を表明。今オフも中田を誘い、自主トレを行った。

「そのとき中田が受け取ったのが、『チームマエケン』とプリントされた特製Tシャツ。中田は『何としても優勝して、前田さんを気持ちよくメジャーに送り出したい』と、決意を新たにしていましたね」(前出の記者)