宇野亞喜良 第3回
「ぼくは中学生のころから親父のアシスタントとして室内装飾の仕事を手伝っていました」

島地 勝彦 プロフィール

シマジ その昔宇野さんは、いまはなき原宿セントラルアパートの一室に仕事場を構えていましたよね。わたしはよくあそこへ特集のコメントをもらいに伺いました。

宇野 ぼくにしてみれば、ユニークな発想がお得意のシマジさんに、自分のコメントにも「OK!」と言ってもらいたい一心でしたけどね。

シマジ いやいや、新しい思考に対して宇野さんの一言が権威付けになったんですよ。たとえばあのころ六本木あたりで流行っていたオネエ言葉についてコメントをもらったりしましたよね。

立木 あら、オネエ言葉ならアタシに任せてくれない。

シマジ 残念ながら、そのころおれはまだタッチャンと知り合っていなかったんだよね。

立木 そうなのよ。残念ったらないわ。いまからでも遅くなくってよ。

シマジ 今日はいいです。

立木 フン、シマちゃんったら、冷たいんだから。

シマジ あれは週刊プレイボーイの別冊でしたか、蛍光印刷かなにかで大きなポスターを描いていただいたことがありましたよね。あの原画を受け取りに行ったとき、これはまさに"和製ビアズリー"だと感動したのを今でもよく覚えています。ぼくはあの病的な美しさが大好きでした。

宇野 ぼく自身どう思われているかよくわからないんですよ。病的でしたか?

シマジ 宇野さんのイラストはなんというか、若いころからすでに老成していました。

宇野 あんまり変わっていないんですかね。自分としてはかなり変わったつもりなんですけど。

シマジ 美に対する根本的な姿勢はずっと同じだと思います。

宇野 そうでしょうか。いまは安定しているけど、ぼくは堕落した時代やいろんな時代を経て、いままた女の子を描きはじめたりしているから、表面上は変わっていないように見えるのかな。実際は変わっていないとはいい切れないんですが。

立木 頑張れ!シマジ。

シマジ でも宇野さんのどんな作品を見ても、宇野さんが描いたものだとすぐわかりますよ。ところで、お父さんはどんな職業の方だったんですか?