ダボス会議にようこそ 第2回 今年の会議で見えてきた世界の課題

ウィリアム 齋藤

「セカンドハーフ・オブ・チェスボード」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

こういう昔話があります。

チェスというゲームはインド人が発明したのですが、このゲームに感動した王が、「何でも欲しいものをあげよう」と発明者に言いました。するとその人は「米粒をいただけますか。1日目は1粒、2日目はその倍の2粒、3日目はその倍の4粒」と答えました。

王は「そんなことなら」とあっさりOKを出しました。ところがそれは大きな誤り。はじめは1粒、2粒でも、1日ごとに倍になっていくと、気づいたときにはとんでもない数字になりました、という話です。

人類にとってこれまでは「ファーストハーフ」でしたから、変化は驚くほどではありませんでした。ところが「セカンドハーフ」に入ると、天と地がひっくり返るほど世界が一変するのです。フリードマンは、3Mが「セカンドハーフ」にさしかかったのではないかと言うのです。

いまが、ターニングポイントです。

人間はまだ誰も「セカンドハーフ」を経験していませんし、3つの変化が同時に発生しているので、これから何が起こるかを予想するのも難しい。

コンピュータの進化によって、いたるところで仕事が自動化され、従来あった職業がいくつかなくなるでしょう。「電車の運転士」に憧れる子どもは多いですが、その子が成人するころには、電車の運転士という仕事は消えているかもしれません(電車の運転席も)。そんな状況になったときに備えて「どのように教育を変えるか」というのが、ダボス的な議題なのです。

どんどん進む「シェアドエコノミー」の動き

また、私が今回のダボスで勉強になったのが、SNS、ソーシャルネットワークのあり方です。

日本人にとってSNSは、TwitterやFacebookの印象が強いかもしれませんが、グーグルドキュメント(旧名 グーグル ドックス アンド スプレッドシーツ。Googleが無料提供する、ウェブブラウザ内で動くオフィスソフト)を使ったさまざまなもののやり取りが増えています。

たとえば、クラウドファンディングで億単位のお金を集めたり、クラウドソーシングで新しいアイデアを集めたりする動きがあります。

私が「ああ、なるほど」と思ったのが、「シェアドエコノミー」が急激に伸びているということ。「Uber(ウーバー)」と「Airbnb(エアービーアンドビー)」がわかりやすい例でしょう。