ダボス会議にようこそ 第2回 今年の会議で見えてきた世界の課題

ウィリアム 齋藤

「ハイパーコネクテッド」と「インターディペンデント」

会期中、多くのセッションに出席していると、何度も耳にするキーワードがありました。

2015年の動きを考えるうえで重要なポイントになる言葉を掘り下げていきましょう。

私がもっとも印象に残ったのが「ハイパーコネクテッド」と「インターディペンデント」です。

「ハイパーコネクテッド」とは、直訳すれば「接続性過多」。インターネットを通じて、瞬時に誰とでもつながることができるということ。

良い情報も悪い情報も、すさまじいスピードで世界中を駆け巡ります。良い情報であればウエルカムですが、信用や評判を落とす情報も止めようがありません。このスピードは、私たち人間が経験したことがない速さです。そんな状況に、私たちがなかなかついていくことができていないのが現実です。

「インターディペンデント」とは、「相互依存」。お互いが密接につながり、絡み合っているということ。便利になった反面、恐ろしさもある。社会インフラから私生活までIT技術に依存している現在、システムがダウンしたら、電気、ガス、水道のみならず、通信、交通・物流、金融等あらゆる仕組みが機能を停止し、政治も経済も私生活も大混乱に陥るでしょう。

これまでの「3M」が変わった!

ピューリッツァー賞を3度受賞しているアメリカのジャーナリスト、トーマス・フリードマンは 「3Mが変わった!」と話しています。

かつてないほど、世の中がものすごいスピードで変化しています。

ひとつ目の「M」は「マーケット(Market)」。これは、市場がグローバル化したということ。

もうひとつの「M」は、「マザーネイチャー(MotherNature)」。温暖化など激変する環境問題について。

3つ目の「M」が、「ムーアの法則(Moore's law)」。

これは、世界最大の半導体メーカー、インテル社の創設者のひとりであるゴードン・ムーア博士が1965年に提唱した「半導体の集積密度は18~24ヵ月で倍増する」という法則であることは、みなさん、ご存じだと思います。

これが、新しいフェーズに突入したというのです。

近いうちに、コンピュータ(人工知能)が人間の脳を超えるということがさまざまな場面で語られています。コンピュータの進化は私たちの生活にとって歓迎すべきことですが、今後、「指数関数的成長(exponential growth)」の恐ろしさに圧倒されることになるかもしれません。