元エリート裁判官が衝撃の告発! 政治家の圧力に屈して名誉毀損訴訟の認定基準を変更した最高裁判所は「最低裁判所」だ! 

『ニッポンの裁判』著者 瀬木比呂志・明治大学法科大学院教授
瀬木 比呂志 プロフィール
『ニッポンの裁判』は、各分野の難解な判例を、法律の基礎知識のない一般読者でも理解できるように『複雑明快』に解き明かした力作。2015年を代表する新書の一冊となるだろう

何より、これも本の中に書きましたが、新約聖書の言葉を借りれば、「蛇のごとくさとく、鳩のごとく素直に」(マタイによる福音書第一〇章第一六節)、人々が、自分の眼で、制度の現状と問題を見据えることがまず第一に必要です。

テレビについても、「毎日毎日こんな番組だけやっていていいのか?」と声を上げればいいし、読んでいる新聞にもどんどん抗議のメッセージを送ればいい。自由とか民主主義というのは、本来、戦って勝ち取られてきたものです。「権力のほうで、マスメディアのほうで、ちゃんとしてくれるのが当たり前」みたいな発想をまず捨てないといけません。国民の多数が「絶対におかしい」と声を上げれば、一票の格差の是正だって、小選挙区制度の是正だって、できますよ。

法曹一元制度だって、弁護士の中から、たとえば大きな事務所から、中堅クラス以上のいい人、すぐれた人が交替で5、6年間くらいずつでも裁判所に入って、いい裁判をすれば、そういう弁護士任官者が全体の二割くらいになれば、「やはり法曹一元のほうがいいのか」ということは、世論も、メディアも、政治家も、認めざるをえないでしょう。現に、アメリカのみならず、オランダ、ベルギーのようなヨーロッパの小国でも部分的法曹一元をやっている国はあるのです。

「どうせ変わらないから。言っても、やっても、同じだから」というのでは、敗北主義といわれても仕方がないのではないでしょうか?

瀬木 比呂志(せぎ・ひろし) 一九五四年名古屋市生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。一九七九年以降裁判官として東京地裁、最高裁等に勤務、アメリカ留学。並行して研究、執筆や学会報告を行う。二〇一二年明治大学法科大学院専任教授に転身。民事訴訟法等の講義と関連の演習を担当。著書に、『ニッポンの裁判』『絶望の裁判所』(講談社現代新書)、『リベラルアーツの学び方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、5月頃刊行予定)、『民事訴訟の本質と諸相』、『民事保全法〔新訂版〕』、『民事訴訟実務・制度要論』(以上、日本評論社、最後のものは近刊)等多数の一般書・専門書のほか、関根牧彦の筆名による『内的転向論』(思想の科学社)、『心を求めて』、『映画館の妖精』(ともに騒人社)、『対話としての読書』(判例タイムズ社)があり、文学、音楽(ロック、クラシック、ジャズ等)、映画、漫画については、専門分野に準じて詳しい。