ネットではなんと1本30万円! マッサンが作った最高のウイスキー「昴」をご存知か 手に入らない!

週刊現代 プロフィール

「うちにも在庫はありませんね。『昴』の存在は知っていましたが、恥ずかしながら、私個人としては、現物を見たことがなく、もちろん飲んだこともございません」(バーテンダー)

その他にも都内の有名なバーに問い合わせたが、答えは皆同じだった。販売終了から約10年。編集部が調べた限りでは、東京で『昴』が飲める店は一軒も見つからなかった。

「『昴』の在庫ですか?残念ですが、ニッカ本社にも在庫は一本もありません。今は置いているお店もほとんどないと思いますよ」(前出・ニッカ広報部)

そこで、本誌記者は幻のウイスキー『昴』を追い求め、ニッカ創業の地、北海道へと飛んだ。

羽田から新千歳空港に到着したのは、夜の7時頃。まず向かったのは、北海道一の繁華街、札幌市すすきの。東京ドーム3個分のエリアの中に3000店以上の飲食店がひしめく、日本でも有数の歓楽街だ。これだけ酒を出す店があれば、きっと見つかるだろう。

まず訪れたのは、その名もズバリ、「ザ・ニッカバー」。南四条西3丁目にあるこの店は、ニッカのレアものウイスキーを数多く取り扱っており、かなり期待が持てる。カウンターに座り、『昴』を探している旨を伝える。

「すいません。空のボトルだったらあるんですけど、肝心の中身はもう残ってないんですよ」

申し訳なさそうに、店長の鈴木好美氏はそう答えた。知り合いのお店にも電話で聞いてもらったが、有力な情報は得られなかった。

その後もドゥエルミタアヂュ、ラルセン、カイズなど、すすきので何十年も続く老舗のバーを訪ねたが、一向に『昴』には巡り合えない。

その代わりといっては、なんだが、『シングルモルト余市』の12年、15年、20年、『竹鶴ピュアモルト』の12年、17年、21年など、普段なかなか飲めないウイスキーを飲むことができた。

ちなみにニッカでは竹鶴政孝の教えに従い、最低5年は寝かせたモノでないと商品としては出さない、という規定がある。

ウイスキーは年代が古くなるごとに、角が取れて丸く優しい味わいになる。逆に年代が若いと尖ったハッキリとした味になるという。

隣で飲んでいた北海道在住の中年男性客が、こんなことを言う。

「ウイスキーも人も同じだよ。年を取れば、だんだん丸くなる」

バーで出会った北海道の方々にニッカに対する思い入れを聞くと、みな口を揃えてこう言う。