宇野亞喜良 第2回
「ぼくらの時代の人たちはみんな悪口を言い合うのが好きだよね」

島地 勝彦 プロフィール

宇野 シマジさんの戦争体験はどんな感じでした?

シマジ 4歳になるかならないかというころ、まだ奥沢にいたんですが、神田や芝に住んでいた親戚たちが大勢うちに避難してきたんですよ。「坊や、坊や」ってやたら可愛がられていたんだけど、一週間もするとみんなどこかに疎開していなくなっちゃった。

その晩は神田方面の空が深夜になっても真っ赤な夕焼けみたいに輝いていたのをありありと覚えています。いまでもその光景は思い出せますね。

立木 お得意の過剰なるリアリズムか。4歳の子供が深夜まで起きていられるわけないだろ。夢でもみていたんじゃないの?

シマジ そんなことないよ。たしかにおれの網膜にその光景が焼き付いているんです。時間は夜の7時とか8時だったかもしれませんが。

宇野 シマジさんは実際にB29を見ましたか?

シマジ 奥沢でも目撃しましたし、一関でも見ましたね。銀色の巨体がキラキラ輝いていて、美しいなあというのがそのときの印象です。

宇野 そうですね。憎らしいぐらい悠々と飛んでくるんですが、B29はたしかに美しかったですね。

次回につづく〉

 

宇野亞喜良(うの・あきら) 1934年愛知県名古屋市生まれ。名古屋市立工芸高校図案科卒業。カルピス食品工業の広告課を経て、1960年日本デザインセンター設立とともに入社。1964年同センターを退社し、横尾忠則、原田維夫とともにスタジオ・イルフィル設立。翌65年離脱。同年スタジオReを設立し、「ペルソナ展」に参加。また、灘本唯人、横尾忠則、和田誠らと東京イラストレーターズ・クラブを設立し、寺山修司の「天井桟敷」にポスターを制作する。1968年スタジオReを解散しフリーに。日宣美会員賞、講談社出版文化賞さしえ賞、サンリオ美術賞、赤い鳥挿絵賞、日本絵本賞、日本宣伝賞山名賞等を受賞。1999年紫綬褒章、2010年旭日小綬章受章。おもな作品に「宇野亞喜良クロニクル」「サロメ」「少女からの手紙」「奥の横道」「MONO AQUIRAX +」、絵本に「あのこ」(文=今江祥智)「白猫亭」「上海異人娼館」(原作=寺山修二)、詩画集「大きなひとみ」(詩=谷川俊太郎)など。その他、キュレーションや舞台美術も手掛ける。
島地勝彦 (しまじ・かつひこ) 1941年東京都生まれ。青山学院大学卒業後、集英社に入社。『週刊プレイボーイ』『PLAYBOY』『Bart』の編集長を歴任した。現在は、コラムニスト兼バーマンとして活躍中。『甘い生活』『乗り移り人生相談』『知る悲しみ やっぱり男は死ぬまでロマンティックな愚か者』(いずれも講談社)『Salon de SHIMAJI バーカウンターは人生の勉強机である』(阪急コミュニケーションズ)など著書多数。Webで「乗り移り人生相談」「Treatment & Grooming At Shimaji Salon」「Nespresso Break Time @Cafe de Shimaji」を連載中。最新刊『お洒落極道』(小学館)が好評発売中!

著者: 島地勝彦
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著者: 島地勝彦
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