【沿線革命019】  
乱立する羽田空港への新しいアクセス鉄道構想一覧

阿部等(交通コンサルタント)

羽田空港への鉄道アクセス構想の乱立

近年になり、JR東日本の羽田空港アクセス線、東急電鉄と京浜急行を結ぶ蒲蒲線(新空港線)、東京モノレールの東京延伸、都営浅草線を短絡する都心直結線と、様々な構想が乱立している。羽田・成田リニア新線構想が検討されたこともあった。

ちょうどタイミング良く、2015(平成27)年度中に、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の交通政策審議会答申が取りまとめられることとなっている。

それに向け、国交省の東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会(以下、「小委員会」と言い、全て2014(平成26)年に開催)にて、議論が重ねられた。(http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s304_arikata01.html

以下、各構想を順に紹介する。(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zo0ekc4hc9Xw.kByWNqAe4AJ4

JR東日本の羽田空港アクセス線構想

乱立する構想の中で最も効果が高く、現実感も高いと見られているのが、JR東日本が2014年8月19日の小委員会第4回(http://www.mlit.go.jp/common/001052936.pdf)にて説明・討議した羽田空港アクセス線の3ルートだろう。

羽田空港第1・第2ターミナルの間に羽田空港新駅を新設し、東海道貨物線の東京貨物ターミナルまで約6kmの間に地下ルートでアクセス新線を建設する。そこから既存線を活用して3方面と結ぶ。

「東山手ルート」は、アクセス新線の北側で休止中の貨物線(大汐線)を経由し、田町付近で東海道本線に合流し東京へ至る。3月14日に開業する上野東京ラインと直通することにより、水戸・宇都宮・高崎といった北関東エリアと直結できる。

「西山手ルート」は、アクセス新線から北西方面へ新線を建設し、大井町の東方で東京臨海高速鉄道りんかい線に合流し、大崎・渋谷・新宿・池袋方面と結ぶ。

「臨海部ルート」は、アクセス新線の北側でりんかい線の回送線(単線を複線化)を経由して同線に合流し、東京テレポート・国際展示場方面と結ぶ。終点の新木場では線路が京葉線とつながっており、舞浜・海浜幕張方面と直結できる。

羽田空港新駅から東京が約18分、新宿が約23分、新木場が約20分と、現状と比べ大幅に短縮される。総事業費は約3,200億円、着手から完成まで10年を見込んでいる。

輸送人員は空港旅客のみで1日当たり7.8万人と予測されており、それに基づき採算性を概算してみる。

現行の運賃は、京浜急行の品川-羽田空港国内線ターミナルが410円、東京モノレールの浜松町-羽田空港第1ビルが490円(第2も同額)なので、新線の平均客単価を500円とすると、日銭は約4,000万円、年収は約150億円となる。

空港旅客以外の利用を上乗せしても、事業費3,200億円の全額をJR東日本が負担したのでは、決して事業性が高いとは言えない。