【沿線革命017】 井の頭線の朝夕ラッシュ時は、「千鳥停車」で大幅にサービス改善!

阿部等(交通コンサルタント)

「千鳥停車」で夕方のラッシュ時も大幅改善

夕ラッシュ時の下りに導入する案の6分×4サイクルの時刻表を示す。

夕ラッシュ下りのダイヤ案の6分×4サイクル(独自に作成)

夕ラッシュ時は、1サイクルを6分としコストを最小化する。どの発駅と着駅の組み合わせも、6分に1回以上の乗車チャンスがある。現行の渋谷発の1時間20本が30本となり、輸送力は1.5倍となる。

渋谷→吉祥寺の所要時間は、現行の急行21分と同じである。輸送力増強により、着席のための待ち時間は大幅に短縮される。

なお、今回提案の朝夕ラッシュ時のダイヤ案を導入するには、列車の運行効率を高める4つのイノベーションが実行されることを前提としている。それらは、車両性能、信号システム、運転取扱いに関する若干複雑な話なので、次回以降に改めて解説する。

「千鳥停車」で線路容量が1.3倍に

なぜ千鳥停車がいいのか、前回は、列車間の混雑率の平準化と全体的な所要時間の短縮の2つを挙げた。

さらに大きなメリットとして、線路容量を向上できる。下の図で説明しよう。

千鳥停車ダイヤは従来型ダイヤと比べ線路容量が1.3倍となる(独自に作成)

全列車が停まり、かつ1線1ホームで処理する大駅(小田急線の下北沢、京王線の明大前のような駅)が路線全体の線路容量を決める。そこでの列車の動きをダイヤ形式で示した。同じ色の線が1つの列車(いわゆるスジ)を示し、横方向が時間の経過、縦方向が位置である。

東京の鉄道の標準的な信号設備・車両性能・運転取扱いでは、若干の余裕を上乗せして、大駅の停車時間は60秒程度、ある列車が出発してから後続列車が到着するまで(発着時隔と称する)は70秒程度である。

従来型ダイヤでは、特急・急行・普通の順に着発して最短で1サイクル390秒、平均130秒に1本の運行となる。千鳥停車ダイヤだと、快速A・B・Cの順に着発または通過して最短で1サイクル300秒、平均100秒に1本の運行となる。

快速Bが通過することにより、停車時間60秒と加減速ロス30秒を節約できる効果である。不思議なことに、設備も車両も同じまま30%も本数を増やせる。