【沿線革命017】 井の頭線の朝夕ラッシュ時は、「千鳥停車」で大幅にサービス改善!

阿部等(交通コンサルタント)

本当に望まれるのは朝夕ラッシュ時のサービス改善

以上により、早朝と深夜は便利になり、昼は若干のスピードアップと若干の減便が実施される。しかし、沿線住民あるいは住もうと考えている皆さんが最も望んでいるのは、朝夕ラッシュ時の混雑緩和とスピードアップであることは言うまでもない。

それらを実現する方策はある。【沿線革命016】にて提案した千鳥停車ダイヤの導入である。前回の提案は小田急線の複々線の緩行線への導入で、話がややこしくなってしまった。

今回は井の頭線への導入を提案する。井の頭線は、路線長が短く、分岐線も複々線区間もなく、前回よりも分かりやすいだろう。

「千鳥停車」で朝ラッシュ時のサービスを大幅改善

朝ラッシュ時の上りに導入する案の5分×4サイクルの時刻表を示す。

朝ラッシュ上りのダイヤ案の5分×4サイクル(独自に作成)

どの発駅と着駅の組み合わせも、5分に1回以上の乗車チャンスがあり、一部の利用で乗り換えが生ずる。全列車を吉祥寺-渋谷の運行とすれば乗り換えを不要とできるが、コスト最小化のため3本に1本を富士見ヶ丘始発とする。

ピーク1時間の渋谷着が現行29本に対し36本となり、混雑はだいぶ緩和される。吉祥寺→渋谷の所要時間は31分から22分に大幅短縮される。

運用数(=編成数=乗務中の乗務員パーティ数)は、車両と乗務員の運用(折り返し等、どのように動くか)を追って算出しても良いが、トレインアワーという便利な指標がある。1時間当たりの全列車の所要時間を合算したもので、運用数に比例する。運用数は、上下線を併せたトレインアワーに折り返し時間を加え60で割れば求まる。

現行は、吉祥寺→渋谷31分の各停と富士見ヶ丘→渋谷23分の各停が14.5本ずつなので、(31+23)×14.5=783分である。提案ダイヤは、1サイクル3本の所要時間がそれぞれ22分、19分、24分で、1時間は12サイクルなので、(22+19+24)×12=780分である。

両者のトレインアワーはほぼ同じで、運用数は同一だろう。つまり、「千鳥停車」の導入により、混雑は緩和され、所要時間は短縮され、コストは増えないということだ。