15名の起業家・投資家たちが学生に語った「アントレプレナーシップ」とは?

Re-Generate JAPANオープンフォーラム
グローバル・シェイパーズ・コミュニティ

希少性を高めて、自分にしかできないことをする

「教育にイノベーションを~これから10年の教育市場の展望~」をテーマにしたセッションは、教育改革実践家で杉並区立和田中学校で民間の校長を務めた藤原和博氏の[よのなか]科の授業からスタートした。

[よのなか]科の授業をする藤原氏

藤原氏は会場に問いかけた。

「世の中を見渡して、マクドナルドのアルバイトの時給は700~1000円、プログラムができたら1000~2000円のアルバイトもあるかもしれない、正社員で公務員なら3000~5000円、弁護士など何かの専門家なら10000円~30000円、シニアコンサルタントなら80000円、起業家なら…と考えていったときに、稼げるようになるその差はなんだろうか?この100倍の差は何から生まれるのか?」

1分間それぞれが答えを考えて、会場から一斉に声があがった。彼らに対し藤原氏が示したその答えは「自分自身をレアカード化すること。みんなと同じ方向へは行かず、付加価値、希少性を高めて、自分にしかできない仕事をすること」。

藤原氏に続き、教育に携わるアントレプレナーたちも学生たちにメッセージを送った。

「ロマンとソロバン、その前提には情熱がある。そのバランスにすべてが宿るんじゃないか。情熱をもって、ロマンを語りソロバンを叩き、10年後に新しい価値を世の中に提供してほしい」(リクルートマーケティングパートナーズ執行役員/山口文洋氏)

「自分が本気で事業が起こそうと思ったときには、覚悟とタイミング、そして、夢を語れる仲間が大事。タイミングを見極める必要があります。また、別の視点から起業や独立だけが選択肢ではなく、会社で実績を積み、アントレプレナーシップを持って世の中に価値を生み出していくこともできるでしょう」 (Future Sills Project研究会事務局長/ベネッセコーポレーション教育事業本部/平山恭子氏)

「食べたことのないメニューの味はわからない。小さなところから試し食い、試し行動をしていってほしい」(Teach For Japan CEO兼代表理事/グローバルシェイパー/松田悠介氏)

左から、藤原氏、平山氏、山口氏、松田氏

自分のなかで目標を明確にし、人と違うことをやる

最後は、アテネオリンピックハンマー投げ金メダリストの室伏広治氏と2011ミス・ユニーバース日本代表の神山まりあ氏による特別セッションが行われた。

オリンピックという大舞台に臨む前の緊張に打ち勝つための思考や習慣について、参加者からの質問に、室伏氏は目標を自分なかではっきりさせることのの重要性を説いた。

「私であれば目標は、金メダルよりも大きなものにしなければいけないんです。金メダルが最終目的になると、金メダルは取れない。金メダルを取ることだけを考えている時ほど、視野が狭くなってスポーツも面白くないしメダルや記憶の奴隷になって、結局なにも達成できない、ということがあるんですね。自分が心から達成したいことは何か。なぜ達成したいのか。そこを明確にしておくと、いざというときにも力が出るはずです」

チャンスを掴むために継続していることに対する参加者からの問いに、現在イメージコンサルタントとして活躍する神山氏は、人との出会いの大切さを語った。

「どんな小さな出会いでも大切にすることです。出会った人に、ずーっとお付き合いできるような人間関係を構築したい、と思ってもらえるような人間でいたいと思っています」
そして、最後に学生たちにそれぞれメッセージを送った。

「やっぱり人と同じことをやっていては、一番になれないと思うんです。私も自分自身の競技レベルをどう上げていくかを追求してきましたが、成功セオリーはないんです。
自分で試して、本当にそれが自分に合っているのかどうかを検証していくしかない。勇気が必要ですが、そのためのチャレンジを重ねていってください」(室伏氏)

「"普通じゃない"ということはとっても魅力的だと私は思います。それでいて、一般的に普通じゃないことでも、自分にとっては普通なんだと認めて突き進んでほしい。そして将来、あなただけの普通が日本の普通になって世界の普通になって宇宙の普通になるんだっていう感覚を、ぜひ自分のなかで持っていただきたいなと思います」(神山氏)

室伏氏と神山氏

講演終了後には、学生たちから「考え方が変わった」「刺激になった」「人生の視野が広がった」といったさまざまな声があがった。

起業家精神を持ったポテンシャルある学生たちが今回のセッションで何を受け取り、次のステップにつなげていくのか。

グローバルシェイパーズ東京ハブでは、学生たちにただ刺激を与えるだけではなく、トライアンドエラーを繰り返す経験によって成長することを目標に、プロジェクトを実施している。

今後は、3月15日から18日までの3泊4日間での合宿プログラムが実施される予定だ。今回のフォーラムの参加者が、それぞれのビジネスプランを持ち寄り、教育界とIT業界のリーダーをメンターとして事業計画を深めていく。最終日にはビジネスコンテスト形式での審査会が行われ、インキュベーションやインターンシップといったネクストステップに進出するメンバーが選出される。そして、6ヶ月のインキュベーションを経て、参加者には賞金が提供される。事務局には既に、起業への熱い想いが記された応募用紙が全国から届いているという。

ここから地方に新しい雇用と機会が生まれる日はそう遠くないのかもしれない。

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