もうひとつ、問い合わせをいただいたことによって得たものがありました。それは、20年東京オリンピック・パラリンピックに向かって何かをしようという人々が、実際に何を考え、何を欲し、何を望んでいるのかが、生の声でわかるということです。これによって、私たちの役割も次の段階へと進むべき時にきていると感じています。前述した通り、これまでは自らが情報を発信し、呼びかけることを続けてきました。それが逆に人々が私たちに向けてリクエストしていただくということに変わり、私たちはそれに応えるというミッションを帯びたのです。これまでの私たちの社会との関わり方に大きな変化が起きたと受け止めています。
ボランティアアカデミーについては、テレビ番組などでも取り上げていただきました。最も反響が大きかったのはNHKのニュース番組でした。放送後には問い合わせの電話がもう一日中鳴りっぱなしの状態になりました。電話、FAX、メールをあわせて、2日間での問い合わせの件数は150件以上にものぼりました。もちろん、このようなことはSTAND設立以来、一度も経験したことがない、嬉しい意味での非常事態でした。こうしたことからも、私は今、単に“発信すること”だけでなく、 “期待に応えること”という違う景色を観始めていると実感しているのです。
もちろん、もしこれからもっと期待をいただけるとすれば、批判の声も増えるでしょう。それにきちんと耳を傾け、受け止めることが大事だと考えています。以前にもお話しましたが、私が初めて障がい者スポーツの動画を配信した際に言われたのは、「障がい者をさらし者にする気か」という言葉でした。もちろん、当時は怖かったですし、とても悲しい気持ちになりました。しかし、その言葉に背を向けるのではなく、正面から向き合って考え、行動してきました。これからも批判を大切に受け止めていきます。
現在、ボランティアアカデミーの公式サイトでは、トライアルプログラムの参加者を募集しています。応募締切は2月9日、参加費は無料で、定員は50名としています。ぜひ公式サイトをのぞいてみてください。