オックスブリッジの入試を突破する「英語力」の身につけ方

「日本人、オックスブリッジに挑む」英語編
オックスブリッジ卒業生100人委員会

2)IELTS対策に移行する

前述のTOEIC対策の勉強ではライティングとスピーキングのスキルはなかなか上達しない。この段階ではまだまだ英語が全然話せない状態に近いだろう。そこでTOEIC800点を取得した後は、IELTS対策に移行して4セクション(R,L,W,S)のスキルを上げてほしい。勉強法は以下の通りである。ただし、TOEIC800点からIELTS7.0への道は非常に長く険しい。もしIELTS6.0付近で点数が伸び悩んだ場合はTOEFLの勉強をし、TOEFLで90点を取得してからIELTS対策に移行してもいいだろう。なぜなら、TOEFLは勉強法が確立されている上、IELTSに比べてスコアが細かく算出されており、英語力の変化をより正確に測れるからである。

・英単語:有名なIELTS向け単語帳は現状存在せず、あえて言うならばCambridge University Pressが出版している書籍がそれに該当するが、それよりはTOEFL受験者に長く利用され、実績のある「TOEFLテスト英単語3800(旺文社)」の使用をお勧めする。これを勉強すれば大抵の単語は理解できるはずである。

・文法:基本はTOEIC対策の延長で問題ないだろう。物足りない方はCambridge University Pressの書籍等を使うのがいいと思う。MBA課程の場合はGMATと呼ばれる試験対策が有効となる。

・リーディング:IELTSはTOEICに比べて難易度が高い。このため、Penguin Readers、ニュース記事、IELTS公式問題集(Cambridge IELTSXシリーズ)等を使ったさらなる勉強が必要である。また、IELTSの文章は長文が多いため、スキャニングやスキミングといった速読に関する能力も必要である。

・リスニング:IELTSではTOEIC対策で触れた点に加え「正確に聞き取った内容を書きとる能力」が重要で、この能力向上に有効な方法がディクテーションである。教材はTOEIC対策で使用する音源に加え、IELTS公式問題集の音源の活用をお勧めする。日本人の多くはアメリカ英語の発音に慣れていると思うが、IELTSリスニングはイギリス英語の発音が基本となるため、公式問題集の音源を使用して発音に慣れた方がよい。

・ライティング:まず、試験の要求事項と目標スコアに到達できる文章の構成を知ることが重要である。試験はTask1(グラフ、統計、プロセスに関する記述)とTask2(エッセイ)の2問から構成される。はじめのTask1はグラフやプロセスを表現する方法がある程度定型化されているため、関連する表現を覚える(テンプレート化する)ことが効果的である。そうした表現は公式問題集やFinancial Times (FT)等を読むことで蓄積できる。Task2についてはアカデミックエッセイの特徴の理解が大切である。断言をさけること、根拠を示す際には客観的な根拠を示すこと、賛否両論を考慮する場合には賛成・反対それぞれの立場で書くこと、等が求められる。その他、詳しい採点基準はIELTSサイトに掲載されている。

また、目標スコアに到達できる文章の構成を把握するためには、添削を通して自分なりの答案を作り上げる過程が重要である。例えば、東京にあるLINGO L.L.CのIELTSコースでは、先生がIELTS採点基準で答案を添削してくれる。なお、ielts-simon.com等のIELTS元採点官のサイトにも有益な情報が豊富にある。しかし、この中には細かいテクニックも紹介されており、それを過度に気にすると英語力が伸びないことがあるので注意して参照いただきたい。次に、数多く演習をすることが重要である。前述のLINGOのような予備校か、元試験官による通信添削コース等を利用して適切なフィードバックを受けることが有効である。さらに、試験対策と並行して英語の日記を書くことも有効だろう。例えばLang-8と呼ばれるランゲージエクスチェンジのサービスを利用することにより、無料で自分の文章をネイティブに添削してもらえる。

・スピーキング:このセクションで重要な点は、「試験の要求事項を理解し、言いたいことを頭でイメージできること」、「イメージした内容を発音できること」、の2点である。まず、要求事項の理解と自分なり模範解答を作ることである。それらを行うため、洋書の「New Insight into IELTS(Klett Ernst /Schulbuch)や、日本語書籍の「新セルフスタディIELTS完全攻略(ジャパンタイムズ)」が参考になる。さらに、Cafetalk等、IELTS専用のオンライン英会話サービスを受講することで自分なりの模範解答を作り上げていくこともできる。また、当日の試験に柔軟に対応するには即座に言いたいことを頭でイメージできなければいけない。このために瞬間で簡単な英作文できるスキルが必要があり、その特訓としてはスピーキング試験のTask1の訓練を繰り返すことが有効である。Task1は、出身地、学業/仕事、趣味等自分に関して1つの質問あたり30秒~1分程度で話す問題である。