【沿線革命016】 小田急線の複々線化を機に「千鳥停車」導入で通勤ラッシュ&遅延は解消する!

阿部等(交通コンサルタント)

大都市鉄道の効率性を画期的に高めるダイヤ

多くの読者は、「えっ!、そんなのあるの? あるならすぐに実行してくれ。」と思うだろう。それが実はあるのである。

今回、ダイヤ案を練るために、紙・鉛筆・PCを使い徹底的に格闘した。そして、各停の存在が全体の効率性を下げることを痛感した。緩行線の1時間18本を全て各停とせず、半数を通勤準急としても、各停は他の列車より空くだろう。

多くの人は、各停は速度が低い分、コストが安いと思っているだろうが、実は全く逆で、速度が低いほどコストは高くなる。所要時間が長いほど、車両も乗務員も回転効率が低くなる。さらに、加速・減速の回数が多い分、電気を余計に消費しブレーキディスクの磨耗も早い。

【沿線革命011】【012】で提案した徹底的に便利な湾岸BRTを低コストに運行できるのは、速達性を徹底的に追及したからだ。新幹線も、「こだま」は「のぞみ」よりも高コストである。

効率性を画期的に高めるダイヤとは、各駅停車をなくしたダイヤである。

通常のダイヤ

多くの路線では、以下のように、最優等列車から普通まで段階的に停車駅を割り振り、大駅には全列車が停車する。

多くの路線の列車種別と停車パターン

上位の列車は下位の列車を追い越すほど旅客が集中し、混雑し、かつ遅れる。追い抜かれる下位の列車も所要時間が伸びる。上位の列車が遅れれば、後続の下位の列車も遅れる。

遅れるというのは、ピークの初期時間帯は定時で、遅い時間帯ほど遅れが大きくなるということで、ピーク1時間では運行本数がダイヤ設定より少なくなることを意味する。

また、大都市部ではコストを要する待避設備を多く設置できず、優等列車は先行列車に追い付き、駅は通過するもののノロノロ運転となる。ダイヤにすると全列車が平行に近くなるので、平行ダイヤと称する。複々線区間がわずかだった2004(平成16)年12月より以前の小田急線はその典型だった。

千鳥停車ダイヤ

それに対して、上位の列車の停車駅を下位の列車が通過することのあるダイヤを千鳥停車ダイヤと称する。西武池袋線の朝ラッシュ上りの所沢→石神井公園(http://www.seibu-group.co.jp/railways/railway/rosen/)が昔からよく知られる。

上位の列車の停車駅を下位の列車が通過する千鳥停車(西武鉄道HPより)

急行以上の停車するひばりヶ丘を通勤急行が通過する、快速以上の停車する石神井公園を通勤準急が通過するといった停車パターンとしている。それにより、列車間の混雑率の平準化と全体的な所要時間の短縮を図っている。

千鳥停車をシステマティックにすると、以下のように3種の列車を運行し、それぞれ3駅に1つずつ規則的に通過させ追い越しは一切しないこととなる。1駅通過するごとに停車と比べて1分ずつ所要時間を短縮できる。どの駅と駅の間の利用でも、3本に1本は利用できる列車がある。

千鳥停車ダイヤの停車パターン

これを、複々線化完成後の小田急線に適用し、同時に千代田線にも適用することを提案する。

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