― 小沢幹事長から直々に留任要請を受けたとのことですが、どんなやり取りが行われたんですか。
生方 小沢さんからは「引き続き副幹事長として私を補佐して欲しい」というひと言でしたね。それに対して私から「分かりました。
でも二、三お話ししたいことがあるんですが・・・」と切り出したら、「話したいことがあるのなら正副幹事長会議で話せばいいじゃないか。今は時間がないから・・・」と言って立ち上がっちゃった。
ほんの1~2分のことです。
― 小沢さんは本心から生方さんの留任を望んでいたと思いますか。
生方 そうじゃないでしょうね。顔も強(こわ)ばっていましたし。なにしろ自分を批判した相手に「もう一回やってくれ」というのだから、心中穏やかではなかったはずです。
― 留任要請を受け入れたことで、「生方さんは小沢幹事長に懐柔された」と受け取った人も少なくない。
生方 そう誤解する人もいるようです。メールでも「がっかりした」なんていうのがいくつか来た(笑)。でも断じてそんなことはありません。「引き続き副幹事長を引き受けてくれ」と言われたら、理由もなしにその場で断るわけにはいかないでしょう。
今回とりあえず留任の要請は受けましたけど、私はきちんとした場所でもう一回声を上げます。それが一番いい方法じゃないかと判断したということです。
― きちんとした場所、というのは?
生方 この雑誌(週刊現代4月10日号)が発売になる3月29日の月曜日に副幹事長会議が開かれますので、その場で問題提起しようと考えております。
小沢さんが自身の「政治とカネ」の問題についてきちんと説明すること、幹事長室に権限が集中している現在の体制をもっとフラットな分権体制にすること、それから、廃止された政調を復活させて、議員全員が政策作りに参加できる体制にすることを求めるつもりです。辞表を持って、それと引き替えに訴えますよ。
政治とカネの問題について、小沢さんはこれまで何度か記者会見の場で説明をしています。しかし世論調査の結果を見ると、国民の4人に3人が、小沢さんは辞任すべきだと思っている。
だから有権者が十分納得できるような説明をしてほしいんです。その説明に国民が納得して「よく分かった、これは大した問題じゃないんだ」と言うのであれば、小沢さんは幹事長を続けていただければいい。
つまり小沢さんは十分な説明をするか、しないなら幹事長を辞めるか、どちらかしかないと私は思っています。ここまできたら国会の場で、証人喚問に応じるのが一番いいと思いますよ。
― 参考人招致や政治倫理審査会じゃなくて、証人喚問にするべきだと。
生方 政治倫理審査会は非公開でテレビ中継もされないので、国民に対しての説明としては不十分かもしれませんから。まぁ何もないよりはいいでしょうけど。まずは政倫審で説明し、それでも疑問が残るというのであれば、次の段階に、ということもあり得ますけどね。とにかく国会議員なんですから、国会の場できちんと説明するべきです。