あなたも家族も必読 認知症「最初の最初」この30兆候を知っておけば大丈夫

すぐに気付いて対処すれば、間に合う
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さらには、性格も「認知症になりやすさ」に関係している。

「社交的で、さまざまな人とお付き合いができる人は、脳への刺激も多いので認知症になりにくいんです。逆に、人付き合いが悪く内にこもるタイプの人は危ない。

とくに、仕事一筋でやってきたサラリーマンが定年退職したとたん、何もせずに家に居る時間が増えるというパターンは、認知症の始まりと言えます」

前出の宮永医師はこう指摘する。脳を刺激する仕事、たとえば指先を常に動かす画家や音楽家などは認知症になりにくいことが明らかになっているという。

これまで述べてきたような認知症の「最初の最初の症状」に気づくことが第一歩。あとは、健康な脳になるための対策を取るだけだ。

「軽度認知障害の場合、放っておくと5年以内に過半数の人が本当の認知症に移行する危険性を持っています。その一方で、適切に対応すれば、進行を阻止でき、正常な状態に戻る可能性もあるんです」(前出・伊古田医師)

では「兆候」に気づいたとき、どんな対策を取ればいいのだろうか。自宅ですぐに始められるおすすめのものは、次の3つだ。

(1)一日30分以内の昼寝

「筑波大の研究で、30分以内の短い昼寝をする習慣がある人は、そうでない人に比べて認知症の発症が75%に減少し、記憶テストの成績もアップしたという結果が出ています」(前出・奥村医師)

(2)簡単な計算問題を解く

「難しい計算ではなく、小学校1~2年生がやるようなレベルの計算ドリルを1回10分間、日に2回ほどすると効果的です」(前出・伊古田医師)

(3)新聞の音読

「音読は脳に良い刺激を与えます。社説などを毎日声に出して読むのがいいでしょう」(伊古田医師)

このほか、適度な運動や食事の改善も効果的。緑茶やコーヒー、トマトなどに含まれるポリフェノール、イワシなどの青魚やオリーブオイルに含まれる不飽和脂肪酸の摂取は認知症の発症を抑制することがわかっている。

「風邪にかからないよう、身体の免疫力を高めるのと同様に、認知症にならないために脳の免疫力を高めると考えればいい。我々には、認知症から守ってくれる脳自体の免疫力が備わっています。その力をアップさせることは誰にでもできるのです」(前出・奥村医師)

認知症をむやみに恐れる必要はない。身近な人や自分自身にここで挙げた30の兆候に当てはまるものがあった人も、今から対処しておけば大丈夫だ。

「週刊現代」2015年2月7日号より