あなたも家族も必読 認知症「最初の最初」この30兆候を知っておけば大丈夫

すぐに気付いて対処すれば、間に合う
週刊現代 プロフィール

脳の扁桃体という部分の働きが低下すると、人の感情がわからなくなってしまいます。笑っている人や怒っている人の写真を見せても、どんな感情を表しているか理解できなくなってしまうのです」

これはつまり、「空気が読めなくなる」と言い換えてもいい。不機嫌そうな妻の表情を読めずに夫婦ゲンカが頻繁に起こるようになったり、身近な人との人間関係がぎくしゃくし始めることが増えたら、要注意だ。皮肉やダジャレが通じない、落語や漫才を聞いてもオチが理解できず笑えなくなる……ということもある。

高齢者が詐欺にひっかかりやすいのも、脳の機能が低下して、空気が読めなくなっているせいだ。

「警戒心が薄れるんです。相手の表情やしゃべり方、しぐさなどから心の内を察することができなくなってしまうので、騙されやすくなってしまいます」(伊古田医師)

大阪府に住む深江恵美子さん(72歳・仮名)は、夫がここ数年で人が変わったようになっていくのを感じていた。

「現役時代は、休日も何かしら予定を入れて忙しくしていましたし、いつもオシャレな人でした。けれど、65歳で仕事を辞めてからは、いつもゴロゴロしてばかりいました。そのうち、起きてからも着替えずに一日中寝間着のまま過ごしたり、身なりに気を使わなくなった。

これまで40年以上、働いてきたんだから、ゆっくりさせてあげたいと思っていたのですが、ここ最近、さらに様子がおかしくなってきたんです。お酒が好きで甘いものは一切口にしなかったのに、大福や羊羹など甘いお菓子を好んで食べるようになった。それも一日に1つや2つじゃなく、10個近く食べることもあるんです」

恵美子さんの夫も、まさに認知症のごく初期の典型的なケースを辿っている。「もの忘れ」とは異なる症状なので、うつ病などと間違えられることもあるが、何事にも興味がなくなり、だらしなくなる、というのも初期に現れてくる。

「食べものの好みが変わることもあります。一般的に、辛いものや甘いもの、しょっぱいものなど味の強いものが好きになります。これまで嫌いだったものをよく食べるという傾向が出て来たら、少し気にしたほうがいいかもしれません」(伊古田医師)

こう対処すれば、元に戻る

近年、日本で認知症が急増しているのは、高齢化というだけでない「理由」が存在しているという。

「『認知症を増やす病気』と『認知症を増やす生活様式』が広がっているという要因もあるのです。生活習慣病は、主に高血圧症と糖尿病。高血圧のある人は、ない人に比べて2~3倍、糖尿病の人は2倍ほど認知症になりやすいと言われています。他には、うつ病にかかったことのある人は、認知症のリスクが2~3倍というデータもあります」(伊古田医師)