あなたも家族も必読 認知症「最初の最初」この30兆候を知っておけば大丈夫

すぐに気付いて対処すれば、間に合う
週刊現代 プロフィール

また、すぐにカッとして怒鳴るのも特徴的です。怒る相手は赤の他人ではなくて、一緒に住んでいる妻や嫁、息子や娘など身近な人に対してのことが多い。怒りを抑える脳の機能が働かなくなってしまうのです」

最近、ボーっとする時間が増えたり、ちょっとしたことにイライラする、何事にもやる気がなくなるといったことはないだろうか。

もちろん認知症では、記憶への影響も出てくる。ただし、勘違いしがちだが、認知症による記憶障害は「忘れる」ことではないのだという。

「じつは『忘れる』というのは誤解で、過去に覚えたことが記憶から失われるのではなく、『新しいことが記憶できない』というのが認知症の記憶障害なのです。ヒントを出して思い出せるのは『単なるもの忘れ』ですが、認知症の症状では、最近体験した出来事でも、記憶からすっぽり抜け落ちてしまいます」(前出・奥村医師)

こうした認知症の初期症状は、酒を飲んで泥酔したときの状態と同じだという。奥村医師が続ける。

「認知症では、短期記憶をつかさどる脳の海馬という部分の機能が低下しますが、アルコールも海馬の働きを麻痺させてしまう。同じことを何度も繰り返し言ったり、どうやって家に帰ったか覚えていなかったりするのは、認知症の疑似体験とも言えます」

ただし、「単なるもの忘れ」だとしても、油断はできない。「もの忘れは脳の疲労からくる警告であり、無視し続けると、後に認知症になる可能性が高まる」(奥村医師)からだ。隣の人の名前が出てこない、買い物に行ったのに何を買いに来たか忘れた、携帯をどこに置いたかわからなくなる……こんな単純なもの忘れが、一日に4~5回起きているようなら注意が必要だ。

歳を取ると涙腺が弱くなるというが、認知症になるとその通説は当てはまらないらしい。

「他人の心の痛みを自分のことのように感じる共感、同情の感情も薄れてきます。感動する映画を見ても泣けなくなるということもあるでしょう」(伊古田医師)

たとえば大きな災害や事故で多数の犠牲者が出たというニュースをテレビで見ても、何も感じないようになってしまう。

話のオチがわからない

それだけでなく、感情の変化はこんなところにも表れる。伊古田医師は、小学校で教師をしている50代の男性からこんな相談を受けた。

「その方は、子供たちが何を考えているのかわからなくなった、とおっしゃいました。毎朝の朝礼では、子供たちの表情を見ながら、いつもと違った様子の子がいないかをチェックしていたそうですが、あるときから気に掛けることがなくなったそうです。同僚から『先生が変だ、と子供たちが騒いでいる』と指摘されて自覚したそうです。