豆腐屋の息子が一代にして 資産500億円、年収20億円 狙われたセガサミー里見会長はとんでもない大金持ち

週刊現代 プロフィール

里見氏がこのとき頼ったのが、情報処理大手CSK会長で、セガの会長でもあった大川功氏(故人)だった。里見氏は自分が保有する全株式をもって借金を申し入れ、78億円を用立ててもらう。'95年からはパチンコにも本格的に参入し、里見氏は、この借金をわずか2年半で返したという。

その後、大ヒットした『獣王』『北斗の拳』といったパチスロ機に恵まれ、パチスロの業界トップの地位を確立し、現在に至る。

「ただ、いくらアミューズメントといっても、詰まるところパチスロ・パチンコはギャンブルですから、社会的な風当たりは強い。当然、色々と悪く言われますが、本人は気持ちのいい男ですよ。商売柄、ヤクザ者からの接触は何度もあったそうですが、彼自身は若いときから暴力団が嫌いでしたしね。そう言えば、いつも身の回りに気をつけていて、愛車は特注の防弾仕様でした」(前出の関係者)

大震災で2億円を寄付

事業欲があっても、金銭欲はそこまで強くないと、里見氏の知人は口を揃える。「墓場までカネを持っていくつもりはない」とも公言しているという。

「株主総会で、個人株主に『おカネは何に使っているんですか?』と尋ねられ、『社会貢献』と堂々と答えていました。実際、東日本大震災ではポケットマネーから2億円を寄付しています。郷里の富岡市には毎年1000万円ずつ、ふるさと納税もしているそうです」

ただし、社会貢献も本業がうまくいってこそ。現在、パチンコ・パチスロ業界は衰退の一途を辿っている。'00年代前半には30兆円と言われた市場規模は年々縮小し、現在では20兆円を割り込んでいる。

新しいフロンティアとして里見氏が目をつけているのが、カジノなのである。

現在、各地で誘致合戦が繰り広げられているカジノだが、その経済効果は2兆円とも試算されている。もちろん、現状で日本国内にカジノの運営経験のある会社はなく、海外の運営会社に頼らざるを得ない。その海外の会社と組んで、カジノ運営に携わろうと、セガサミーをはじめとする国内の遊技機メーカーはしのぎを削っている。

「すでにセガサミーは韓国の現地法人と組んで、仁川国際空港の近くにカジノ建設を始めています。昨年11月に着工し、'17年のオープンを予定している。さらに釜山でも同様の施設を作る予定です。これらに日本人スタッフを送り込み、ノウハウの蓄積を進めている。日本でカジノが解禁になれば、圧倒的なアドバンテージになるでしょう。さらに、セガサミーが'12年に買収した宮崎県のシーガイアはカジノの候補地として有力です」(カジノの動向に詳しいジャーナリスト)

1月26日から始まる通常国会では「カジノ法案」が提出される見通しだ。可決されれば、最短で'20年には、国内での最初のカジノがオープンすると見られ、里見氏はこれに運営会社として関与する野望を隠さない。

もはや蕩尽の限りを尽くしても、使い尽くせぬほどの資産を築き上げた。残された最後の夢は、「日本初のカジノ王」になること。今年73歳を迎えた里見氏にとって、残された時間はそう長くはない。

「週刊現代」2015年2月7日号より