ダボス会議にようこそ 第1回 日本人の知らない「ザ・国際会議」の正体

齋藤 ウイリアム浩幸

その目的は、ビジネス、政治、アカデミアなどの社会におけるリーダーたちが連携することで世界・地域・産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことです。本部はスイスのジュネーヴにあります。年次総会がスイスのダボスで行われることから「ダボス会議」と呼ばれています。

ダボス会議は、世界中から約2500人の選ばれた知識人やジャーナリスト、企業経営者や政治指導者が集まり、世界が直面するさまざまな問題について議論する場です。

ダボスという町はとても小さいので、人数には物理的制約があり、出席者約2500人を、約7500人の警備・兵隊が守っています。世界中の要人が集まるので、警備は厳重です。50メートル置きに警官が立ち、ビルの上ではスナイパーが控えています。

「世界経済フォーラム」はいまではダボス会議の主宰者として知られる組織ですが、そのほかに、世界中の課題について専門家が討議する「グローバル・アジェンダ・カウンシル(GAC)」、そしてGACが中心になって発表するじつに多くのレポート(研究報告書)の発表でも知られています。これらのレポートをもとに各国の施策が決められることもよくあることです。ちなみに日本では、男女の格差を指数化して順位をつけた「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート(世界男女格差報告書)」における国別ランキングがあまりに低い(142ヵ国中104位!)ということがよくニュースになるのでご存じの方も多いと思います。

ダボス会議は毎年1月下旬に開催されます。今年は1月21日から24日まで。じつはダボス会議で毎回一番盛り上がるのが木曜日の夜の「ジャパンナイト」。日本政府が開くイベントで、各国政府や企業の人々を歓待するのですが、日本から板前さんが来て寿司を握るので大人気です。これまで、俳優の渡辺謙さんやMISIAさん、書道家の紫舟さんがゲストで参加しました。私は2013年、2014年と司会を担当していますが、開会のとき、「Welcome to Sushi night」と言うのが決まりごとのようになっています。

グローバル・アジェンダ・カウンシルで世界中の重要課題を討議

毎年、ダボス会議が開かれる前の11月に、前述した「グローバル・アジェンダ・カウンシル(GAC)」の会合が開かれます。GACでは現在86のテーマにわかれ、それぞれのテーマごとに専門家の討議が行われます。その中からダボス会議で討議される世界の緊急課題も決まっていきます。そういう意味では、ダボス会議は前年の秋に始まっていると言ってもいいでしょう。