「元民主議員」を抜擢した人事戦略

鈴木寛氏の公式ホームページより

下村博文・文部科学大臣が、大臣補佐官に鈴木寛氏を抜擢した。下村大臣たっての希望だった人事というが、「すずかん」の愛称で知られる鈴木氏といえば元民主党議員。確かに教育行政に通じてはいるが、対立政党の出身者を登用する異例の人事といえる。この人事になにを見るべきか。

新聞を読むと、「政府は(1月)6日、方針を固めた。近く閣議で了承する」とあたかも突然に出てきた人事案のように書いている。しかし実は、鈴木氏は昨年10月7日に文部科学省の参与に就任している。

当時、下村大臣は起用理由について、「鈴木氏は民主党政権で副大臣でしたが、党派を超えて、教育やスポーツ、文化に最も精通された方だと前から高く評価していた」と述べ、
「鈴木氏には、重要施策のうち大学入試改革などへの協力をお願いした。大学入学試験を変えるということは、高校以下の学習指導要領の抜本的見直しにもつながる。フリースクールや不登校対策への対応などにも参与として参画していただきたい」としていた。

今回の補佐官人事はその流れである。鈴木氏は元通産官僚であるが、政治家時代の客員教授を含め、18年間、大学の教壇に立っている教育のスペシャリストである。表面的に見れば、適材適所として、有能な人材の活用である。

ただし、その背景には、巧妙な自民党の民主党つぶしの戦略も透けて見える。

安倍政権になってから、安倍首相の音頭によって、本来左派政策である雇用対策としての金融政策が取り込まれた。その結果、安倍政権は、就業者数を民主党時代とは比較にならないほど伸ばし、政労使の三者協議において民主党のお株を奪う賃上げ要請を行うまでに至った。

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