安倍内閣の「本質」を読み解いた
ベテランジャーナリストが明かす
報道番組の「内幕」と定年後「再雇用」記者の意地

田崎 史郎

だが、このインタビューを番組の責任者の方が見ていて、その責任者が「ハッケン」のプロデューサーに就任され、コメンテーターの依頼に来られた。私はその話を最初、断った。私は福井県出身で、家内も福井県出身だから、福井なまりがいまだに脱けない。そもそも、自分がテレビで話せるとはまったく思っていなかった。しかし、こう説得された。

「田崎さんの声がいいんです。良い話をしていても、伝わらない声質の人と、普通の話をしてもよく伝わる声質の人がいます。田崎さんは後者です」

ならば、やってみようかと思ってしまったのが今に至る淵源である。出始めて半年間ぐらい、番組終了後、帰宅する際に「来週は出たくないな」と思う日々が続いた。しかし、プロデューサーが毎週、相談に乗ってくださり、やっとコツをつかんだ。コツとは――(1)結論を1つに絞って先に話す、その際できるだけ印象的な言葉を選ぶ。記事なら、見出しを先に話す感覚だ。(2)その結論に至った理由を分かりやすく、40秒以内で話す――ことである。

これができるようになった頃に、テレビ朝日の「報道ステーション」から声を掛けていただくようになり、他の番組からのお誘いが増えた。今はひるおび、ミヤネ屋以外に、読売(日本)テレビ「ウェークアップ!ぷらす」、TBS「新・情報7DAYSニュースキャスター」、フジテレビ「めざましテレビ」「とくダネ!」、テレビ朝日「グッド!モーニング」などに出演している。なぜ、テレビで通用しているのか、実はよく分からない。テレビに出始めた頃、会社の先輩から「人柄が良さそうに見えるから、やっていけるよ」と言われたことが案外、当たっているかもしれない。

定年後「再雇用」記者の意地

自分で心掛けているのは、つねに取材していることだ。出演のオファーはたいてい前日だ。普段から取材してはいても、情勢が変わっている可能性があるので、取り上げられるテーマの中心にいる国会議員、官僚らに前夜、必ず電話を入れ、最新の情報を入手している。時には、『安倍官邸の正体』の取材にも応じてもらった、安倍晋三首相や菅義偉官房長官ら政権の中枢に電話して話を聞く。この努力を怠ったことは1度たりともない。

安倍官邸の正体
著者= 田崎史郎
講談社現代新書/本体価格800円(税別)


◎内容紹介◎

国や党の方針は、誰がいつ、どこで決めているのか―。安倍政権を批判する人も肯定する人も、まずはその「実態」を知ることが大切だ。これからの「日 本のあり方」を考えるべく、国家権力の中枢を解明するとともに、安倍内閣の「本質」、そして2015年以降の政局の行方までを読み解いた、全国民必読の 書。はたして、新聞の首相動静にも記されない、日本の行方を決定づける非公式会議に、「隠し廊下」を通って集結していたメンバーとは――。安倍官邸のキー パーソン、「ポスト安倍」は誰なのか? 憲法改正に取り組むタイミングはいつ? 安倍首相が明かした「宿願」とは? そして、戦後日本が誇った「平和国家」は、どこへ向かおうとしているのか―。政治記者歴35年の著者が迫った、「国家権力の頂点」の真実。

【おもな内容】
序 章 「政局を読む力」を養うために
第1章 安倍官邸の「構造」と「正体」
第2章 一次政権とは何が「違う」のか
第3章 安倍官邸の実力と問われる真価真実。

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