倉本聰インタビューこの国はどこへ行こうとしているのか
「北の国から」いま思うこと

週刊現代 プロフィール

それを聞いて、健さんは黙っちゃったんです。なにか問いを投げかけられたら、健さんはいつもしばらく黙るんですよ。本当に考えているのか、ただ間をとっているのかはわからないんですけれどね。

そしたら15分くらいしてから、ぼそっと、でも嬉しそうに「違うんじゃないですか」と言って、こう続けたんです。

「アカプルコの海に浮かぶ、一艘のクルーザー。そこで僕は暮らしているんです。毎日、空輸で届けられる東京・青山『ウエスト』のチーズケーキを楽しみにしながら。ある日、それを喉につまらせて死んでしまう」

僕は、おかしくって笑ってしまってね。そんな健さんのユーモアが、もう聞けないと思うと言葉がありません。でも、亡くなってから1週間も誰にも報せず、静かに去っていくというのも、健さんらしい最期だな、と思いましたね。あれほどの俳優、いえ、日本人はもう現れないんじゃないでしょうか。

「週刊現代」2015年1月17日・24日合併号より

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