[ボクシング]
近藤隆夫「2015年、井上vs.井岡、内山vs.三浦、山中vs.亀田和が観たい」

スポーツコミュニケーションズ

視聴率至上主義ではないボクシング

 1988年7月に内田好之が、渡辺二郎を破ってWBC世界ジュニアバンタム級王者となったヒルベルト・ローマン(メキシコ)に挑んだことがあった。場所は川越市民体育館。無謀なマッチメイクだと周囲から言われた。

 だが、この試合、4ラウンドに内田が、タイミング良くカウンターで左フックを決め、ローマンに尻もちをつかせてダウンを奪う。あの時と似ていた。この直後、ローマンは目が覚めたように攻勢に転じ、5ラウンドTKO勝ちを収める。

 大晦日のリゴンドーもまた、9ラウンド以降、ペースを取り戻して天笠の顔面を破壊、11ラウンド終了時にTKO勝利を得た。

 天笠は善戦した。よくやったと思う。だが、やはりリゴンドーとの実力差は歴然としていた。天笠がダウンを喫した10ラウンドの攻防を観ながら、「もう止めてやってくれ!」と叫びそうになったのは私だけではなかっただろう。米国、南米において、リゴンドーに挑む者が存在しない理由がよく理解できた一戦だった。

 年末の2日間、総合格闘技、ボクシングを存分に堪能させてもらった。ファンは十分に満足できたと思う。だが、こんな声もあった。
「ボクシング人気も長くは続かないのではないか。かつて、総合格闘技が大晦日の人気コンテンツとなっていたが、その後に衰退した。ボクシングも同じ道を歩むのではないか」

 そんな心配は無用だろう。
 なぜならば、ボクシング界は視聴率を上げたくて仕方のないテレビ局の無茶な要求を無条件で受け入れ、馬鹿げたマッチメイクをほどこしたわけではないからだ。