これからの報道に自社サイトは必要なくなるのか? 脱中心・分散型メディアの可能性

佐藤 慶一 プロフィール
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メッセージアプリ、プッシュ通知、スクリーンショットが変える情報の届け方

現在、フェイスブックの利用者数は13億人を超え、同社が買収したインスタグラムのユーザー数は3億人を突破しツイッターを抜いた。最近では同じくフェイスブックが買収したワッツアップの月間利用者数は7億人を突破したという報道も出たばかり。フェイスブックCEO、マーク・ザッカーバーグ氏はワッツアップのユーザー数が将来的に20~30億人に届くチャンスがあるとも発言している。

さらに先日、ビジネスインサイダーが「2015年にはメッセージアプリがSNSを超える」という記事をアップした。これまで脱中心・分散型メディアについて述べてきたが、もちろん調査報道や長文記事などについてはまだウェブサイトは必要なのだろう。しかしながら、リアルタイムに情報に接しているソーシャルメディア時代、そしてプッシュ通知なども当たり前になりつつあるなか、これからの報道のかたちや情報の届け方を考える必要が出てくる。

最後に少しだけ国内についても触れると、LINE NEWSは独特の立ち位置だと考える。スマホの画面サイズのカード型のコンテンツに画像と要約テキストで、サイトに直接飛ばし、LINE内でも「LINE NEWS」のLINE公式アカウントから、話題のニュースをダイジェスト形式でまとめた「LINE NEWS DIGEST」も配信する。

LINE NEWSはカード型であるためか、ニュース画面のスクリーンショットをほかのSNSなどのプラットフォームに投稿するユーザーを見かける。「画像+テキスト」だったニュースが「画像」になると、ニュースでありながらもコミュニケーションのツールとなるので、読むニュースというより「見る・使うニュース」というほうが正しいかもしれない。

ちなみにバズフィードは2014年12月に「The Rise Of The Screenshort™(スクリーンショットの増加)」という記事を公開している。多くのツイッターユーザーがテキストのスクリーンショットを投稿するようになったというものだ。テキストを140字に制限したツイッターで情報の共有手段としてスクリーンショット(画像)が使われるという流れは興味深い。となると、ウェブページの「リンク(に飛ばすこと)」についても問い直す時期なのかもしれないが今回は置いておこう。

この記事では、バズフィード、レポーテッドリー、BBC、ウクライナデスクなどについて見てきた。自社サイトよりもほかのプラットフォームに最適化したほうが圧倒的に速く遠くへ広がるなら、脱中心・分散型に向かうことも選択肢として挙がるようになるだろう。だが、ビジネスモデルが見えないことに加え、アルゴリズムを含むプラットフォームを利用する場合は情報発信・収集に影響をもたらすことも課題となる。これは大きな課題であるものの、引き続きこれからのメディアの自然なかたちを考え続けたい。