「自分なりの成功」追いかけて---青山社中・朝比奈一郎 筆頭代表・CEOインタビュー

池田 真隆
リーダー塾では、大局観を持って、物事を考えるように伝えている

――官僚を辞めて、御社を立ち上げました。エリート街道を捨ててまで、若者にリーダーシップを教える思いとは。

朝比奈: このまま霞ヶ関の官僚でいるよりも、起業したほうが、政策立案にしても人材育成にしても、本質的にはリーダーシップを発揮できて、日本を良くしていけると思ったからです。

経産省で財政やエネルギーなどさまざまな政策に携わっていましたが、朝から晩まで今までのやり方で、霞ヶ関で働いていても、日本は良くなっているとは思えませんでした。

日本に欠けているものは、人材と政策です。この2点について、本質的に良くするためには、地位を求めて政治家や官僚に安住するより、そして、批評家や研究員になるより、今のような形で動き出さなくてはいけないと決断しました。

社会一般のリーダー像は、例えば学生で言えば、部活のキャンプテンや学級委員だと思います。何となく生まれながらのリーダータイプがそうした地位につきます。しかし、うちの塾では、リーダーは、「地位ではない」「生まれつきではない」と教えています。

リーダーは、本質的には地位は関係なく、周りの人を取りまとめる能力も関係ない。ガンジーやキング牧師でも、始めから、地位という意味でのポジションを目指したわけではありません。彼らは、黒人の権利を得るために、インド独立のために、まずは一人で歩き出しました。だから、地位ではなく、むしろ強い思いが不可欠な要素です。これまでの前例や枠組みを乗り越えていけるほどの。

今の日本には、少子高齢化や財政問題、地方の過疎化など課題が山積しています。これらを解決していくためには、人間がやるしかないのです。「やりすぎる人材」が必要です。

「やりすぎる力」が道を切り開いていく

――塾では伝記を使っていますが、その狙いとは何でしょうか。

朝比奈: 伝記を使う講義は、全講義70時間のうち14時間あります。カエサルや坂本龍馬など、さまざまな偉人の伝記を扱いますが、一定の成功モデルを教えているということではありません。

伝記を使う理由は、どんな偉人も、変革に向けて、どこかのタイミングで無謀なチャレンジをしていることを知ってもらうためです。たとえば、カエサルだと妻との離縁、坂本龍馬だと脱藩などです。これらの無謀とされたアクションから、道が開けることは多くあります。

――若者へのメッセージをください。

朝比奈: 大局観を持って、一人でも多くの友と議論してほしい。受講生には、「お互いに土足で踏み込む関係になれ。失礼なこと含めて言いあえる関係になれ」と伝え続けています。そういうところから、やるべきことややりたいことが見つかってくることが少なくないからです。

自分なりの成功とは何か。世間の声に流されず、無謀なチャンレンジをして、君だけの人生を経験していきましょう。

朝比奈一郎
1973年4月生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学行政大学院修了(修士)。97年経済産業省(当時、通商産業省)に入省。2003年、新しい霞ヶ関を創る若手の会(NPO法人プロジェクトK)を立ち上げ、初代代表に。2010年同省を退職し、青山社中を設立。著書に『やり過ぎる力』(ディカヴァ-・トゥウェンティワン)などがある。
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 (取材・構成/オルタナS副編集長池田真隆)

「いまここ」に若者視点をプラスするエシカルメディア「オルタナS」の記事より一部編集・掲載)