わたしの好きな"ちんぼうぐ "『愛しき駄文具』

画期的な発明商品もある。ゴム製の鉛筆グリップと、なんと、鉛筆削りが合体した優れものだ。その名も gripsharp。鉛筆を鉛筆削りにさしたままなので、芯が丸くなるとすぐ削ることができる。けど、かなりバランスが悪そう。ふつう、こういうものは、思いついても商品にはせんわなぁ。米国のアマゾンでは、5個セットが14.5ドル。だいたい、どう考えても五つもいらんし…

持ち運びに至便な6色84玉のクレヨンセット。これは便利だ。84本じゃなくて84玉というのがミソである。ネックレスになってるのだ。服が汚れそうだけれど、ちゃんと特殊コーティングがしてあって大丈夫らしい。これは、日本のアマゾンでも扱っていて、わずか756円!上の二つに比べたらきわめてリーゾナブルである。

残る二つは、せっかくの駄文具なんだから、役にたたなさそうなものを紹介したい。とはいうものの、役にたたなさそうな駄文具がほとんどなので、かなり迷う。が、えいやっと選ぶはチタンの定規。定規なら役にたつのではないかと思われるかもしれない。しかし、その長さ1センチ。受注生産で、なんと3,900円!

『デザインやものづくりをしていると、ノギスが入らないような小さな隙間で長さを測りたい場面が出てきます。』って、そうかもしれんが、1センチをきっちり測ることってどれだけあるんや。『1cm定規としてお使いいただいても、ストラップやキーチェーン、ネックレスなどにアクセサリーとしてつけていただいてもおしゃれな小さいサイズです。』って、かなり弱気やし。

迷いに迷った最後の一品も定規。またまた、定規なら役にたつのではないかと思われるかもしれない。が、目的が違うのである。いきなりであるが、横山ホットブラザーズをご存じであろうか。大阪では誰一人知らぬものはない芸人さんである。必殺技が、西洋ノコギリによる音楽。

『♪ おまえはあほか~』いうやつだ。いわば、その定規版。30センチの定規を机の端にあてて、びよんびよんさせて音楽を奏でるための定規だ。名前はmusical ruler。教則本までついて10ドルあまり。どや、まいったか。ま、音はかなり微妙であるが…

いやはや、すばらしすぎるラインアップだ。利用価値はさておき、価格は子供にでも手が届く程度。文房具の世界はここまで芳醇であったのかとの感動を禁じ得ない。が、駄文具という名前は少し失礼ではないか。ダビンチの名前と似ているのがレオナルドに対して失礼だし、駄目の駄というのも失礼だ。珍品とか珍本のアナロジーで珍房具いうのはどうだろう。ちんぼうぐ、サイボーグみたいでかっこいい、ことないか…

PS:きだてたく氏は、『色物文具専門サイト イロブン』を作っておられるので、興味のある方はそちらもどうぞ。

『愛しき駄文具

作者:きだてたく
出版社:飛鳥新社

内容紹介
「人は文房具に何を求めるのか」という根本的な問題を置き去りにした、国内外の新旧の珍文房具を集めたかわいい一冊です。
見どころは、一品一品撮り下ろしたオールカラーのムダなまでに美しい写真と、謎の文房具の存在理由に真正面から挑んだ解説。
まさに解答のない、「どーしてこうなった?」の世界をお楽しみください!

『ノンフィクションはこれを読め! 2014』HONZが選んだ100冊
作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
内容紹介:キルギスの誘拐婚から現代宇宙論まで、嫌われる勇気からヤクザなキリスト教史まで、世界の"今"を紐解く、ブックガイド!ノンフィクション書評サイトHONZ厳選の100冊。

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